長谷川智子 20年7月11日放送
欲望という名の電車の夏
アメリカ・ニューオリンズの夏は、暑く、長い。
テネシー・ウィリアムズの戯曲 「欲望という名の電車」の舞台である。
名家出身の未亡人ブランチが、
貧しい妹夫婦を訪れる。
「神経が休まる」からと、熱い湯に浸かるブランチのせいで、
狭い家には熱気がこもる。
高慢な態度に苛立つのは妹の夫スタンリー。
汗をかいた肌にシャツが張り付く。
ブランチは、彼の粗野な姿に苛立ちを募らせる。
じっとりと不快な湿気は、物語のカギを握る重要なキャスト。
憎み合う二人を悲劇へ導く。