河田紗弥 20年7月26日放送
耳で楽しむ夏の風物詩。 かき氷
横浜港が開港した江戸時代の末期、
アメリカのボストンから氷を輸入したアメリカ人がいた。
出発から半年以上もかけて、アフリカを経由して
横浜に到着した氷は、
みかん箱ほどの大きさで、3両、
現代の約22万円もしたと言われている。
この氷に着目したのが、中川嘉兵衛だ。
三河の国出身の彼は、
横浜で英国公使のもとでコックとして働いたのち、
東京で最初の牛肉店を開いたり、幅広く商売をしていた。
来日した宣教師に、
医療や食品の保存に氷が有益であると教わった彼は、
天然氷の製造・採取と販売の事業化を目指し、
各地で天然氷づくりを試みた。