宮田知明 10年07月25日放送
たとえばこんな映画監督~黒澤明
日本映画界の巨匠、黒澤明が
アカデミー名誉賞を受賞したときのスピーチがある。
私は、まだ映画のことがよくわかっていません。
そのとき、黒澤監督は80歳。
会場の誰もがその言葉をジョークだと思った。
けれども、黒澤はさらに言葉を重ねた。
これからも映画という素晴らしいものを
つかむために努力するつもりです。
それこそがこの賞に報いる
唯一の方法だと思うからです。
映画を知り尽くした人の言葉は重い。
世界の黒澤にここまで言わせる映画の素晴らしさを
誰もが再認識するとともに
黒澤が映画にどれほどの愛情をかたむけていたのかを
理解したのだった。
たとえばこんな映画監督~北野武
お笑いタレント、司会者、俳優、作家、歌手、映画監督と、
マルチに才能を発揮している人、北野武。
それだけ多方面に活動できる理由は、
彼のこんな言葉に集約されているのかもしれない。
鳥のように自由に空を飛びたいなんていうのは勝手だけど、
鳥が飛ぶためには何万回翼を動かしているか、
よくみてごらん。
空を飛ぶというたったひとつの行動でさえ、
途方もない労力がいる。
マルチな才能を発揮する人は
マルチに努力をする人だ。
たとえばこんな映画監督~行定勲
「世界の中心で愛を叫ぶ」、「春の雪」、
日本の純愛映画の旗手と言っても過言ではない人、
行定勲。
しかし、彼の恋愛観は、意外と現実的だ。
「運命の出会いとは何か?」と問われた時の言葉。
出会い頭の瞬間に「運命の出会い」があるわけじゃなく、
何年、何十年という時間を共に過ごした結果、
「この人との出会いは必然だった!」
と思うことなんじゃないかな。
出会いがない!と思ってるあなたも。
運命の人に出会っている可能性は、かなり高いです。
たとえばこんな映画監督~円谷英二
映画は、一見華やかな世界。
でも、映画監督にいちばん大事なことは、
普通の人が必要とされる能力かもしれない。
ウルトラマンやゴジラなど、日本の特撮の礎を築いた
円谷英二は、こんなことを言っている。
他人から「できますか?」と聞かれたら、
とりあえず「できます」と答えちゃうんだよ。
そのあとで頭が痛くなるくらい考え抜けば、
たいていのことはできてしまうものだ。
もしも、円谷英二がサラリーマンだったとしても。
素晴らしい仕事をしたことだろう。