寒い日にこれをつくると二階があたたまる。
しかしベーコンの脂のおかげで窓は開けているし換気扇全開だから
自分のいる台所とその周辺は寒い。
夏の暑い日につくると、
生きることのつらさを思い知るほど暑い。
しかしカリカリベーコンはみんなの人気なので
夏も冬もつくらざるを得ない。
なんの因果だろう。
まず、ベーコンを買って来る。
ここで大事なのは、ちゃんと燻製してあるベーコンを買うことだ。
煮たりして加熱処理をしたベーコンは水っぽくて困る。
初心者は300gくらいにしておく。
欲張って1kgも買うと、挫折したときの処理がたいへんなはず。
次に新聞紙。とりあえず一週間分くらい。
いちばんボロいフライパンを出してくる。
普通の家庭用だとベーコンが6枚くらい乗るだろう。
ベーコンは脂が出ると縮むので最初は窮屈でも大丈夫。
最初はちょっと強い火であたためて、ベーコンを乗せたら弱火にする。
ごく弱い火にして20分、30分、様子を見る。
ベーコンが縮んでくる。箸で持ち上げるとぐにゃりとしなくなる。
ここでベーコンを新聞紙に移す。
驚くほど脂がしみるので、二つ折りの新聞紙二日分を重ねておくこと。
そして、あまりに脂がしみてきたら取り替えること。
フライパンの脂は瓶にでも保存して、炒め物に使う。
几帳面な人はここでいちいちフライパンを洗うのだが
私は無精して2回か3回分くらいはそのまま使う。
とにかくこの繰り返しだ。
300gくらいをこうして焼いたら、
天板に2日分の新聞紙を敷いたオーブンの下段にベーコンを入れ
100℃か110℃で20分焼く。
焼けたら1枚取り出してみる。まだだな。もう10分焼く。また10分焼く。
私のオーブンとあなたのオーブンは同じではないから
厳密に何分とは言えない。
フライパンでどこまでカリカリに近づいているかにもよるわけだし。
次の300gをフライパンで焼いたら
1日分の新しい新聞紙に乗せて、
さっき天板に敷いた2日分の新聞紙(脂がしみている)の上に乗せ
また100℃か110℃で焼く。
1kgのカリカリベーコンをつくると半日かかる。
外出をしない日に、本でも読みながらつくるのがいい。
いきなりオーブンではいけないのかという疑問もあるのだけれど
フライパンにたまる脂と新聞紙にしみる脂を見ると
とてもとてもハナっからオーブンで焼く気にはならない。
要は脂まみれのオーブンを掃除するのがイヤなのだ。
このカリカリベーコンは西尾まりちゃんと地曵豪くんに教えたが
ちゃんと作れているのかしらん(なかやま)