断固として干す、サヨリの風干し

干物にするサヨリをいつでも買うことができるならば
今日はカラッとして風もあるからサヨリを干そうというようなことで
買いに出かけたりもできるだろうけれど
こちら月曜から金曜はもちろん、たまには休日も仕事に出かけているし
サヨリの入手は静岡市の魚屋に頼っている状況なので
むづかしいことは言っていられない。

雨が降ろうが槍が降ろうが、
1、休日に
2、サヨリが入手できたときに干す。
断固として干す。それしかないのだ。

もともとは刺身用の三枚におろしたサヨリが
食べきれないなと思うくらい多かったので
余分と思われる数枚をちょっと塩をして干してみたのが
そもそものはじまりだった。
三枚におろしてあるから二、三時間でいいと思って干したら、
なんだか強烈にうまかった。
サヨリの干物にはまったのはそれからだ。
いまでは干物のためにサヨリを買っている。
小型の細いサヨリは安いそうで、見繕って送ってもらう。

サヨリは腹開きにしてハラワタを出して送ってくれるので、
塩を振ってただ干すだけだ。
塩水に浸ければ平均に塩がまわるが、面倒なのでやらない。
水ではなく酒に塩を入れて浸せばさらにうまいというが、
酒が勿体ないのでそれもやらない。ただ塩を振って干す。
断固の上に無精な干しかたではあるが
頭から尻尾まで同じ塩味である必要を感じないからこれでいい。

サヨリはざっと塩を振ると早くも水分が出て塩が溶けはじめる。
それを金串に刺して軒下に吊す。
私はカラカラに干さないのが好きなので
風さえあれば昼に干したのを夜には焼いて食っている。

写真のサヨリを干した日はちっとも風がなく、湿度が高かった。
う〜む困ったぞ。これではなかなか乾かない。
それでも昼に干したのを夜遅くなってためしに焼いてみたら
ちゃんと干物の味になっていたから、干すということは偉大だと思う。
10時間くらい干してもこの状態だから、
ひと晚そのままにしてもたいして乾燥は進まないだろうと思って
寝て起きたら小雨が降っていた。あららら。
雨のかからない場所だからいいが、干し具合はほぼ昨夜の状態のままだ。
うん、まあこれはこれでいいだろう。
午後の適当な時間に取り込んで、その日食べる分を残して冷凍庫にしまった。

さて、サヨリの日に風雨が強かったらどうするかというと、
サヨリに塩をする前にとりあえずの台所仕事を終わらせる。
洗い物もちゃんとして片付けておく。
そうしておいて、台所の流しの上にサヨリを吊す。
ともかく干す。断固として干してしまうのだ。
サヨリから水が落ちるので流し周辺に新聞紙を敷いておく。
(だから、まず台所を片付けておく)
冷凍庫ががら空きの場合はいったん冷凍して
お天気の日に干し直すのもありと思うが
「がら空きの冷凍庫」というものがない以上、断固として干さざるを得ない。

刺身用に3枚におろしたサヨリなら台所の流しの上でも短時間で乾く。
ハラワタだけ出した丸のままでも干してしまえば何とかなるさ。
サヨリの干したのはたいへんうまい。
なので、状況にかかわらずサヨリを安く入手できたら
とにかく干すのがいい。

酒の肴トップへ:http://www.01-radio.com/tcs/columnindex/food


ページトップへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA