④ iPhone 5を飲み込むカンヌの椅子。
今回のカンヌ行きが決まってから、
東京で事前に2つのセミナーに参加した。
一つは、広告批評の元編集長、河尻亨一さんが
毎年開催されているセミナー。
もう一つは、BILCOMの小川さんが開いてくれた情報共有会。
前者は、2011年に初めてカンヌに行った時にも参加させていただいたが、
とにかく事前予想の精度がすごい。
キラメキの石井義樹さんを招いての2時間。
ここで取り上げたものは、カンヌの壇上で何度も見ることになる。
それだけ、お二人がカンヌのコンテクストを掴んでいるのだろう。
カンヌを構成する3つの要素、
「セミナー」「スクリーニング」「ネットワーキング」について
丁寧に紐解いてゆく。
初めてカンヌに行く人に役立つ実践的な情報を
惜しみなく伝えてくれるのが魅力だ。
大雨の中、京橋の会議室は人でぎっしり埋まっていた。
後者は、会社のクリエイティブ秘書に誘われて参加。
小川さんは熱心かつ深い洞察で昨年のカンヌをまとめていた。
参加者は小川さんも含めて初対面の方、旧知の方、あわせて10人ほど。
こうして、会社の垣根を超えて話し合えるのが僕は好きだ。
カンヌのネットワーキングは、カンヌに行く前から始まっている。
カンヌの会場、パレには2つの大きなホールがある。
エントランスに入って左がグランド・オーディトリウム。
右がドビュッシー。
日中は話題のセミナーが次々と開催され、
多くの参加者がこの2つを行き来する。
この2会場の椅子、セミナーが終わるとなぜかiPhoneが消える。
ポケットに入れていたはずのiPhoneが、
セミナー後、ポケットから無くなっている。
床に落としたのだろうと、椅子の下を探してみるがどこにもない。
前の人の座席の下に落ちたんだなと思って探しても、
念のため後ろの座席まで探しても、見つからない。
座面は上に跳ね上がる構造なので、座面の隙間に手を入れるが、
やはりない。
次のセミナーは5分後に始まったりするので、焦ってくる。
そんな人が、会場を見渡すと常時3〜5組ぐらいいる。
みんな、四つん這いになったり、途方にくれたりしている。
東京でやった前述のカンヌセミナーでご一緒した方も、
目の前で四つん這いになっていた。
消えたiPhone。真相はシンプルだ。
この椅子、座面を動かす金具がコの字型をしており、
座面の隙間にiPhoneが入った場合、運が悪いと、
「コ」の字の金具にピッタリとはまってしまうのだ。
そのはまり具合が、まるでiPhone5のために設計された
ドックじゃないかと思うほどの一体感。
(iPhone5の周りの金属も、この金具との一体感に一役買っている。)
だから、座面の隙間を何度も確認した人でも、
その金具の一部にPhone5が隠れているとは思わないのだった。
ところがこの椅子、なんと今年リニューアルしたそうです。
ピンク色だった椅子は、赤と黒のツートンカラーに。
さらにフカフカで、リクライニングもするみたいです。
(と、カンヌ公式サイトには書いてありますが、
工事が間に合わなかったら今までどおりの椅子かもしれません。)
なので、紛失の心配はないかと思いますが、念のため。
そもそも、iPhone6の方は心配ないですけどね。
カンヌの作品じゃなくて、椅子のこと書いてるの
たぶん世界でここだけだと思うのですが、
会期中、僕らはたぶんこの椅子に40~50時間座ることになるので
このフカフカした椅子について書いてみた次第です。
気づけばもう2015年のカンヌ!汗
僕の更新が滞りすぎて恐縮ですが、
次回、早めにお届けします!