繊細で強力な腹筋(収録記 2011.11.23の4)

2011年11月23日といえばもう1ヶ月ほど前になります。
12月掲載分のTokyo Copywriters’ Street の収録をしていたこの日、
なんと5人めの森田成一くんを録り終わったとき
私はやっと「あ、写真をまったく撮っていない!」と気づいたのでした。

あわてて撮りました。まずミキサーの森田とその周辺の風景を1枚、
そして森田成一くんその人を1枚。
ふたり森田です。まぎらわしいです、
もう何年も前にスタジオでふたり森田だねえと言ったとき
ミキサーの森田は「僕のこと森田さんと呼んでもいいですよ」と申し出ましたが
いままでスタッフということで呼び捨てであったものを
いまさら「さん」づけするのは我ながら不気味でしたのでやめました。
いまでもミキサー森田は「森田」と呼び捨て、ナレーター森田は「森田くん」です。

話が脇へそれましたが、森田くんの原稿はおそろしく長い原稿でした。
ワードをA4に印刷して確か6枚くらいありました。
その原稿が要求することはふたつありました。
まず繊細であること、そして長い原稿をゆっくり読むための腹筋力です。
さらにいえば、少年の面影を宿していてもらいたい…
この条件を満たすのは私の知る限りたったひとりしかいません。
それが森田成一くんでした。

しかし森田くんは売れっ子で忙しい人です。
ご存じのようにTokyo Copywriters’ Street は0円ですから
ナレーターもボランティアで来ていただかねばなりません。
原稿の執筆者である宗形英作さんは原稿を短くしようかと申し出てくださいましたが
「繊細な腹筋が捕獲できれば原稿はこのままで」とお答えしておきました。
もし森田くんが読んでくれるなら、
長い原稿はファンにとってもうれしいと思ったのです。

幸い、本当に幸いでしたが
スケジュールも空いており、森田くんから「ぜひ」と返事をいただきました。
こうなりゃこっちのもんです。仕上がったも同然です。
ええまあ、仕上がったも同然とご気楽なのは私だけです。
私は腹筋使いませんから。

腹筋を使わず浮遊している私にひきかえ
森田くんは空手と剣道で鍛えた腹筋で落ち着き払って椅子に沈んでいます。
まったく身じろぎしません。後で計ったら13分です。
13分読むだけでもえらいことなんですが
集中力、緊張感を保ちながらですからものすごい体力です。
そうなんです、声は肉体です。
ウソだと思ったらやってみてください。
声を出して読むと私は2分以内で息切れします。あなたもきっと同じです。

このとき収録した「初雪が降ったら」の公開は12月23日です。
イブの前夜です。クリスマスのちょっとだけ前にピッタリな内容です。
その夜になったらが下のリンクから聴くことができます。
http://www.01-radio.com/tcs/archives/20279

そんなわけで、Tokyo Copywriters’ Street 始まって以来の長編を
難なく(と思えましたが)読んでくれた森田成一くん、ありがとう。
これに懲りずにまた読みに来てくださいね(なかやま)

森田成一:http://www.aoni.co.jp/actor/ma/morita-masakazu.html
森田成一Twitter:http://twitter.com/#!/edokko_dey/

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長さ較べ(収録記 2011.11.23 の3)

写真は内田慈さんです。
内田慈っぽいブログ」から借りてきました。
ここまで写真の撮り忘れです、本当にすみません。

内田さんが読んだのは佐倉康彦さんの原稿です。
驚くなかれ、6枚もあるんです。
女性にはちょっと酷な長さだと思います。
体力いりますし、たぶんスポーツ選手並みの腹筋がいる。
そうなんです、声は肉体なんです。
赤松隆一郎さんとそんな話をしたばかり、
その赤松さんと入れ違いに来た内田慈さんは、でもしかし
ぬけぬけとこの長さをやり過ごしてくれる感じもしていました。
テンションが高くなりにくい人のように思えたし
なんか巧妙なすり抜けかたを知っているような気もしていました。

1回め…あかん、ぼろぼろだ。
2回読むのはしんどいだろうと思いましたがOKが出せないので仕方ない。
2回めでクリア。さぞタイヘンだったでしょう。
お疲れさまでした。

それにしても今回の原稿は長いのが多い。
赤松隆一郎さん8分19秒、
赤松さんは自作自演なのでナレーターが死ぬわけではない、
門田陽さん5分58秒。
これも原稿が長いのではなく時間のかかる読みかたをしているからいいとして、
佐倉康彦さん9分53秒を女性が読むのはやっぱりタイヘンなことでした。

1000字くらいでお願いね、ナレーターは基本ひとりよ、って
さんざん言ってるはずなのに、どうも掟破りが最近は多いなぁ。
このままではナレーターが壊滅するかもしれないので
なんとかしなくては。

しかし、佐倉康彦さんと内田慈さんの次は
さらにさらに長い宗形英作さんの原稿が待っていたのでした。
読んでくれたのは森田成一くん、この続きは収録記4で(なかやま)

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歌う人は読める(収録記 2011.11.23の2)

ええ、写真を撮り忘れているんです。
14時の瀬川亮くんも毬谷友子さんも、そして14時50分の赤松隆一郎さんも。
言い訳に他ならないですが、私が撮る写真よりも
画像検索でさがした上の写真の方がかっこいいと思うのでお許しを。

さて、Tokyo Copywriters’ Street は基本は自作自演禁止です。
長い原稿は素人が読めるもんじゃありませんし
声量がないとマイクの感度を上げるのでノイズを拾います。
山本高史という例外がひとりいますが
これは山本高史が本人じゃないと読めない原稿を書くからです。

赤松隆一郎さんが自作自演を申し出られたときに私が即OKしたのは
赤松さんが歌う人だからです。
歌う人は読めます。鈴木慶一さんしかり、吉田美和さんしかり
忌野清志郎さんしかり、巻上公一さんしかり
まだまだいましたよ、お仕事した「歌う人たち」

んで、赤松さんです。
とても長い原稿でした。声の疲労から考えて一発勝負と思っていましたが
5枚ある原稿のうち2枚めと3枚めの読みかたが私は気に入らない。
そこだけ読み直してもらわないといけない。
具体的なことは何も言わず、2枚めと3枚めは
ナレーター赤松隆一郎ではなく個人の赤松隆一郎が見える部分があるとだけ伝え
いっぺんプレイバックして読み直しです。
えっ….と、驚きました。
私が気に入らないところがことごとく修正されていました。

感度のいい人、耳のいい人だな〜と思いました。
やっぱり歌う人は読めるんですよ。
赤松隆一郎さんの自作自演は12月4日に公開されます。
お楽しみくださいね(なかやま)

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痛恨の写真撮り忘れ(収録記2011.11.23の1)

痛恨の撮り忘れです。
あまりに喜んだもんで忘れていました。
本来ならば毬谷友子さんと瀬川亮くんのツーショットを
こちらでお目にかけられたはずなのに。

門田陽さんの原稿「ユキの結晶」は雪男と雪女のかけ合いでした。
設定さえはずしてしまえば現代の普通の男女です。
まあ、なんといいますか
「すがりつく女 vs 逃げ腰の男」とでもいいましょうか。
それを音の世界で雪男と雪女にしなければなりません。
雪男はセリフの内容からすると瀬川くんが面白そうでした。
雪男がどんなしゃべりかたをするかなんて誰も知らないですから
こっちは人間の男として考えればよかったのです。

問題は雪女でした。
こちらは映画にもなっているし
映画を見なくても誰もが脳裏に自分なりの雪女像を持っているでしょう。
それを声で表現できる人….
かなり悩んで、あっそうだ毬谷さんがいると気づいたのです。
この組み合わせを思いついたとき、私は転げまわって喜びました。
ああ私はキャスティングの天才だと鼻高々でした。

それなのに2011年11月23日、14時からはじまった収録の
写真を撮り忘れたのです。
しかたないので、画像検索でさがしだした写真を載せときますね。
まずは毬谷さん。いま現在もこの髪型です。

んで〜、瀬川くんは事務所のプロフィルに載っていた写真です。

でもでもでもね
写真を撮り忘れるほど面白いものができましたよ〜〜。
一行めから雪女だとわかる毬谷さん、
その雪女に牛耳られてムキになっている雪男の瀬川くん。
瀬川くんはうまいわけじゃないけど強さを持っています。
その瀬川くんの強さを圧倒しまくる雪女に毬谷さんはピッタリでした。
瀬川くんは瀬川くんで雪女に恐怖を抱かず
ただの女として鬱陶しがっているのが面白いのです。
いまでも思い出すと吹き出しそうになるのですから。

12月11日に掲載します。お楽しみに(なかやま)

収録記2へつづきます

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赤松隆一郎自作自演決定

12月の執筆者に赤松隆一郎さんがいるのはすでにお気づきを思いますが
さらに自分の原稿を自分で読む自作自演が決定しました。
収録は11月13日、プレゼンと打ち合せの隙間をかいくぐって
赤松さんは無事に段ボールスタジオにたどりつけるでしょうか。
上のyoutubeは赤松さん自作自演の歌。

(たどり着けなかったらどうすればいいでしょうか…)

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収録記 3(2011.10.29)

文字を眺めて色や形や味を想像できるのって
ある意味不幸なことだと思いませんか。
たとえば写真のメニューです。

なになに、鮑にサザエにヒラメのエンガワ。
夕穫れイカ、鯨のベーコン。
これ、青森県は八戸の屋台村、みろく横丁のメニューです。

いまTokyo Copywriters’ Street は「東北へ行こう」キャンペーンを
ひそかにやっています。
東北ではない紅葉がいまは盛りの那須塩原でも
観光客が平年の35%減だそうです。
観光地はとても困っているんです。
観光地じゃなくても困っているところは多いと思うのですが
我々が日常業務のかたわらでできることといえば
筆先1本であなたをその気にさせ
こんどの連休は東北の温泉もいいなと思っていただくことくらいです。

で、今回は青森が4本登場しました。
そのなかの1本がみろく横丁です。
朝獲れれのイカ、夕獲れのイカ…どうもうまそうでかないません。
ほどよく外も暗くなってきています。
読んでくれた大川泰樹くんもなんだか奇妙に明るく元気な声です。
さては目の前に人参ならぬ燗徳利や刺身を空想しているに違いない。

さらにもう一本が八戸は陸奥湊の朝市でした。
安くてうまくて大量の魚をさんざん眺めて、
安くてうまいひとり分の刺身やウニを買い
市場の奥にある食事コーナーで飯と味噌汁を買って
その場で食べることができる。
腹いっぱいになったら午前6時から銭湯が開く。
風呂入ってひと眠りして、夜はみろく横丁へ行けばいいのですから
酒豪の楽園のような土地ですね、八戸は。

そんな内容のものも収録していたわけです。
うまそうだよね〜モリヤ…と
そばにいた遠藤守哉に思わず声をかけたら
「イカ刺しなんかいいですね〜」とモリヤが言います。
すでにして飲む気満々です。
そこで我々は収録後、東京のみろく横丁を求めて
築地あたりを徘徊してみました。
メンバーは最強&最怖ミキサーの森田仁人、
ナレーター大川泰樹遠藤守哉です。

はじめは門跡橋あたりの、蕎麦がまずくて肴のうまい蕎麦屋を
めざしたのですが18時にしてすでに暖簾をおろしていました。
しかも店の人たちは中でコップ酒を飲んでいます。
う〜む、どうも口惜しいなあ。

次に行ったのがモトうどん屋だった半屋台。
いまはちょっと気取った感じになってしまいましたが
築地の路地の気分は味わえます。
上が八戸の海鮮丼、下が我々が行った店の丼の写真。

燗酒を飲んで貝の刺身を食べて、マグロの顎を焼いてもらって
山芋のフライドポテトや出汁巻きを食べて
そういえば丼は誰も食べませんでした。

かくして11月分の収録もめでたく打ち上がりました。
ありがとうございました(なかやま)

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