武田義史のカンヌの誘惑-③

第3話「予習をして、言葉の壁を突破しよう!」

前回のコラムでは旅行手配やフェスティバルのエントリーについて
詳細を述べましたが、もう一つの壁があります。
それは“言葉”です。

カンヌはもちろんフランスですが、
フェスティバル自体の公用語は英語です。

英語堪能な人であれば問題ないですが、
英語をあまり得意としていない方が展示、
スクリーニング、セミナー、ワークショップと
膨大な情報量(お宝?)を限られた時間の中で、
実りある知識として多くも持ちかえるためには
事前の予習が不可欠だと思います。

自分の中に予め“広告業界の最新文脈”を持つことで、
例え英語が苦手であっても理解度とそのスピードが
格段に向上するのは間違いないです。

実際、私自身の英語力は中学生レベルですが、
今年は3年前に行ったときと比べて、
展示されているプレゼンテーションボードやスクリーニングで観た
プレゼンビデオを理解するスピードが、
実感値で3倍以上?にあがったと思いました。

今回は私なりのカンヌ予習方法をご紹介したいと思います。

最も大切なのは“英語”で理解すること。

幸いなことにWeb上には海外の広告関連サイトが豊富にあり、
公開されています。
まずは地味な作業ですが、
カンヌより前に開催された広告賞のWebサイトのWinnerに公開されている
プレゼンビデオやボード、セミナーレポートを読み込むことをおススメします。

内容を把握することはもちろん、
いくつも見ていると独特の言い回しや流行りの単語、
作品であれば何通りかのフォーマットが見えてくるので、
カンヌを読み解く文脈や勘所が頭の中にできてくるはずです。

私自身が参考にしているのは以下の通りです。

カンヌと同じ運営会社が主催しており、ほぼ同じフォーマットの
SpikesAsia(9月:アジア)
http://www.spikes.asia/

EuroBest(12月:ヨーロッパ)
http://www.eurobest.com/

各リージョンの最大規模の広告祭である
Golden Drum festival(10月:ヨーロッパ)
http://www.goldendrum.com/

Adfest(3月:アジア)
http://www.adfest.com/

New York Festivals(5月:国際広告祭だが、アメリカが多い)
http://www.newyorkfestivals.com/

カンヌと並ぶ、世界三大広告祭の
・OneShow(5月)
http://www.oneclub.org/

・Clio(5月)
http://www.clioawards.com/

これらサイトは各フェスティバル開催と同タイミングで
その受賞作品を公開するため、
その都度チェックすることで、定期的に英語に触れる良い機会となっています。
当然、同じ作品が異なる広告祭で受賞しているケースが多々ありますが、
それはカンヌでの有力候補です。
また、アジア系の広告祭でも
オーストラリアやニュージーランドといった統合系に強い国も含まれているので
侮れません。
今年のカンヌを席巻した「Dumb ways to die」が事前のAdfestで
グランプリを受賞していることからも証明しています。

もうひとつはカンヌ常連の有力エージェンシーのサイトです。
特にセミナーの場合は登壇するスピーカーの方が
自社や自グループの事例を題材に話す場合が多いので、
事前に調べておくとセミナーで何について語っているのか?を
把握するのに大いに役に立ちます。

Wieden + Kennedy:http://www.wk.com/

Crispin Porter + Bogusky:www.cpbgroup.com/

Droga5:http://www.droga5.com/

R/GA:http://www.rga.com/

AKQA:http://www.akqa.com/

といった超常連はもちろん
Dove Real Beauty sketches など勢いのある、
ブラジルの世界No1クリエイティブエージェンシー
Ogilvy Brasil:http://www.ogilvy.com.br/

Bridge of life など、プレゼンビデオのクオリティも高い韓国の
Cheil worldwide:http://www.cheil.com/

ビール会社の“アリバイ電話BOX”、エアコンのCM“ブリーフおじさん”など
コミカルなクリエイティブで毎回大爆笑の、
個人的に好きなエージェンシーである
Del Campo Saatchi & Saatchi :http://www.delcamposaatchi.com/
も注目です。

各サイトともにアップされている事例数は少ないですが、
“Work”“Case”というページを設けてケースビデオを公開しています。

また、時間がないので手っ取り早く調べたいという方には、
Leo BurnettがPinterest上で毎年直前に
“Cannes Predictions”という予想まとめをアップしておりますので、
こちらを参考にすると良いでしょう。
http://www.pinterest.com/lbcannespredict/

今回のコラムは現地情報から少々離れてしまい、
リンク集のような様相となってしまいましたが
英語対策のみならず日常業務のヒントとしても活用できますし、
これらの作品が一堂に会するカンヌを想像するとワクワクしてきて、
ますます現地に行きたくなりませんか?
次回からは展示やセミナーの観賞についてご紹介したいと思います。

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youtubeで見るフィルムライオンGland Prix & Gold

カンヌライオンのHPの動画は
ダウンロードできないものがあるようですが
youtubeにアップされていればダウンロード可能です。

下にリストアップしてある
フィルム部門のグランプリとゴールド入賞作品のタイトルを
クリックするとそのCMのyoutubeに飛びます。
(グランプリと個人的に好きなCMは動画を埋め込んでおきました)

ダウンロードに関しては
こちらが参考になるかもです(なかやま)
http://www.01-radio.com/archives/14541

Gland Prix
WRITE THE FUTURE(NIKE)

Gold

ENTRANCE(HEINEKEN)

SLO MO(FOSTERS GROUP)

BRAIDS(PEPSICO)

PREMATURE PERSPIRATION(UNILEVER)

DISTANCE(UNILEVER)

BOWLING(UNILEVER)

MOTHER(UNILEVER)

CLASSROOM CRAFT(NOVARTIS CONSUMER HEALTH)

SHOE LACES(NOVARTIS CONSUMER HEALTH)

AFTER HOURS ATHLETE(PUMA)

FORCE(VOLKSWAGEN)

BORN OF FIRE(CHRYSLER)

OFFICE(MEXICAN INSURANCE INSTITUTION ASSOCIATION)

SEE THE PERSON(SCOPE)

DEAD ISLAND TRAILER(DEEP SILVER)

CAGE COP(WRIGLEY)

HITCHHIKER(WRIGLEY)

CAT(WRIGLEY)

CHROME SPEED TESTS(GOOGLE)

DEMO SLAM: CHUBBY BUNNY(GOOGLE)

DEMO SLAM: REALTIME KARAOKE(GOOGLE)

DEMO SLAM: EXTRA SPICY(GOOGLE)

DEMO SLAM: ROUTE 66(GOOGLE)

DEMO SLAM: RUSHMORE(GOOGLE)

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Winners / Film Lions (日本からの出品作)

SILVER

XYLOPHONE

Advertiser/Client: NTT DOCOMO
Product/Service: MOBILE PHONE
Entrant Company: DRILL Tokyo, JAPAN
Advertising Agency: DRILL Tokyo, JAPAN
2nd Advertising Agency: DENTSU Tokyo, JAPAN

Creative Credits
Creative Director: Morihiro Harano
Art Director: Jun Nishida
Copywriter: Noriko Yamada
Agency Producer: Daijiro Sawa/Ayako Yoshinoya
Advertiser’s Supervisor: Masato Kabasawa
Account Manager: Ayako Yoshinoya
Account Supervisor: Toru Murakami
Production Company: ENGINE PLUS Tokyo, JAPAN
2nd Production Company: DRAWING AND MANUAL Tokyo, JAPAN
Director: Seiichi Hishikawa
Producer: Toshifumi Oiso/Hideyuki Chihara
Editor: Hitoshi Kimura
Sound Design/Arrangement: Kenjiro Matsuo
Post Production: Digital Garden

(「XYLOPHONE」はフィルムクラフト部門サウンドデザイン金賞)

Bronze 

Toast Men

Advertiser/Client: NIHON SHURUI HANBAI
Product/Service: NICOLAS FEUILLATTE CHAMPAGNE
Entrant Company: DENTSU Tokyo, JAPAN
Advertising Agency: DENTSU Tokyo, JAPAN

Creative Credits
Executive Creative Director: Yoshimitsu Sawamoto
Copywriter: Mayu Taguchi/Sohei Okano/Yuriko Taki
Planner: Mayu Taguchi/Sohei Okano/Yuriko Taki
Account Manager: Ikuko Wakiya/Yoshito Nakagawa
Production Company: DENTSU CREATIVE X Tokyo, JAPAN
Director: Jun Kawanishi
Producer: Tomonori Iida

Bronze 

THE 250KM WAVE 

Advertiser/Client: KYUSHU RAILWAY COMPANY
Product/Service: BULLET TRAIN
Entrant Company: DENTSU Tokyo, JAPAN
Advertising Agency: DENTSU Tokyo, JAPAN

Creative Credits
Creative Director: Yuya Furukawa
Art Director: Atsushi Oogi/Urara Mano
Copywriter: Takuya Isojima/Hirokazu Ueda
Agency Producer: Hikaru Ikeuchi/Mariko Shitara
Advertiser’s Supervisor: Yosuke Yamamoto/Hiroko Kaku
Planner: Atsushi Oogi/Kota Tohata/Sayaka Arimoto
Account Manager: Kenichi Mizunoo
Account Supervisor: Takafumi Nogami
Production Company: ENGINE FILM Tokyo, JAPAN
2nd Production Company: T & E Fukuoka, JAPAN
Director: Tsuguhisa Tanaka
Producer: Yohei Tanaka/Tsuguto Shiraishi
Editor: Katsuaki Muka
Sound Design/Arrangement: Katsuya Yamada
Music: Artist/Title: Maia Hirasawa/Boom!
Post Production: T & E Inc.

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