一倉宏さんの原稿は瀬川亮くん(収録記2011.12.23の2)

寒くても元気な瀬川亮くんです。
収録日の2011年12月23日は極端に寒い日でした。
段ボールスタジオは単なる会社の一室なので
録音中は暖房を消さねばならず、日暮れともなると冷え込みます。
しかし瀬川くんは「今日は寒いですよ〜」というその声からして
たいへん元気です。

この日、瀬川くんが読んでくれたのは一倉宏さんの原稿で
百人一首をテーマにしたストーリーですが
珍解釈が抱腹絶倒でありました。

ところで日本語の文法はたいへんむづかしいのですが
百人一首の解釈には古語の文法が欠かせないのであります。
ここに「もが」という終助詞があります。
終助詞とは文章の末尾にひっついて
疑問や禁止や感動や強調の意味を付加します。
「もが」は願望をあらわします。
これに「な」という間投助詞が参加すると「もがな」ができます。
これ、試験に…ではなく一倉さんの原稿に
このような形で登場します。

 君がため 惜しからざりし 命さへ
     ながくもがなと 思ひけるかな

ほらね「もがな」がいるでしょう。
これを瀬川くんの言葉風に解釈するとこんな風です。

「おいらってば、あんたに会うためだったら命もいらないって
 思ってたんだけど
 こうしてせっかく会えたんだから
 長生きしていつまでもこうしていたいと思うようになったよ」

ここで「もがな」はたいへん重要な役割を果たしているのですが
さて、これを瀬川くんは(というか一倉さんですが)
どのような解釈を加えているでしょうか。
1月1日の掲載をお楽しみに。

下の写真は瀬川くんからの京都土産、ペンケースです。
もう使っています。ありがとう、瀬川くん(なかやま)

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どこまでも写真を撮り忘れ(収録記2011.12.23の1)

長く生きているのだし、
困ったことに遭遇する経験も積んでいるのだから
いいかげん落ち着いたらどうなのよと思うわけですが
もう根が粗忽なんでしょうね、
今回もあっと気づいたら写真を撮り忘れていました。
ただ、思い出すのは比較的早かったです。
トップバッターの毬谷友子さんだけ撮り忘れです。

これというのも私の連絡不行き届きで
間違った場所に毬谷さんが行ってしまった事件があり
ちょっとあせっていたからです、という原因と
ま〜、その、要するにですね
ちょいとおしゃべりに夢中になりまして…という事情があります。
ああ、本当に愚かものですみません。

毬谷友子さんはいま稽古中です。
あ、こんなTwitterを発見したので載せておきますね。
公演の詳細はこちらです(なかやま)
http://www.project-nyx.com/pinfo/

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武道派なふたり(収録記2011.11.23の5)

もう12月収録分も終わったというのに
いつまで11月のことを書いとるんじゃと言われそうですが、
写真は大川泰樹くんと地曳豪くんです。
この人たちは武闘派というか武道派です。
腹筋強いです。

地曳豪くんの先生は黒田鉄山という人です。
ニコ動に「黒田鉄山先生バリ演武」などという動画が
アップされているその人です。居合いの達人です。
youtubeだと下の動画がそうです。

私はこの動画を見て居合いは暗殺の技術だと思いました。
地曳くんが武器を持ってあなたの目の前に座ったら
もはや命はないと覚悟しなければなりません。

その地曳くんは私の原稿を読んでくれました。
あろうことか、ロンギヌスの槍のストーリーでした。
地曳くんに槍を持たせてしまいました。
たいへん物騒なことをしてしまいましたが
とてもいいナレーションでした。

大川くんは小室市太郎さんの「東北へ行こう」を3本読んでくれました。
2本はすでに公開中、1本はこれからです。
http://www.01-radio.com/tcs/columnindex/tohoku
この人も古川裕也さんの超長い原稿を読んだ実績があります。
これこれ、これです。
http://www.01-radio.com/tcs/archives/tag/古川裕也
これも12分近いものでした。
声は肉体です。長い原稿は腹筋が不可欠です。
えらいことです(さ)

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繊細で強力な腹筋(収録記 2011.11.23の4)

2011年11月23日といえばもう1ヶ月ほど前になります。
12月掲載分のTokyo Copywriters’ Street の収録をしていたこの日、
なんと5人めの森田成一くんを録り終わったとき
私はやっと「あ、写真をまったく撮っていない!」と気づいたのでした。

あわてて撮りました。まずミキサーの森田とその周辺の風景を1枚、
そして森田成一くんその人を1枚。
ふたり森田です。まぎらわしいです、
もう何年も前にスタジオでふたり森田だねえと言ったとき
ミキサーの森田は「僕のこと森田さんと呼んでもいいですよ」と申し出ましたが
いままでスタッフということで呼び捨てであったものを
いまさら「さん」づけするのは我ながら不気味でしたのでやめました。
いまでもミキサー森田は「森田」と呼び捨て、ナレーター森田は「森田くん」です。

話が脇へそれましたが、森田くんの原稿はおそろしく長い原稿でした。
ワードをA4に印刷して確か6枚くらいありました。
その原稿が要求することはふたつありました。
まず繊細であること、そして長い原稿をゆっくり読むための腹筋力です。
さらにいえば、少年の面影を宿していてもらいたい…
この条件を満たすのは私の知る限りたったひとりしかいません。
それが森田成一くんでした。

しかし森田くんは売れっ子で忙しい人です。
ご存じのようにTokyo Copywriters’ Street は0円ですから
ナレーターもボランティアで来ていただかねばなりません。
原稿の執筆者である宗形英作さんは原稿を短くしようかと申し出てくださいましたが
「繊細な腹筋が捕獲できれば原稿はこのままで」とお答えしておきました。
もし森田くんが読んでくれるなら、
長い原稿はファンにとってもうれしいと思ったのです。

幸い、本当に幸いでしたが
スケジュールも空いており、森田くんから「ぜひ」と返事をいただきました。
こうなりゃこっちのもんです。仕上がったも同然です。
ええまあ、仕上がったも同然とご気楽なのは私だけです。
私は腹筋使いませんから。

腹筋を使わず浮遊している私にひきかえ
森田くんは空手と剣道で鍛えた腹筋で落ち着き払って椅子に沈んでいます。
まったく身じろぎしません。後で計ったら13分です。
13分読むだけでもえらいことなんですが
集中力、緊張感を保ちながらですからものすごい体力です。
そうなんです、声は肉体です。
ウソだと思ったらやってみてください。
声を出して読むと私は2分以内で息切れします。あなたもきっと同じです。

このとき収録した「初雪が降ったら」の公開は12月23日です。
イブの前夜です。クリスマスのちょっとだけ前にピッタリな内容です。
その夜になったらが下のリンクから聴くことができます。
http://www.01-radio.com/tcs/archives/20279

そんなわけで、Tokyo Copywriters’ Street 始まって以来の長編を
難なく(と思えましたが)読んでくれた森田成一くん、ありがとう。
これに懲りずにまた読みに来てくださいね(なかやま)

森田成一:http://www.aoni.co.jp/actor/ma/morita-masakazu.html
森田成一Twitter:http://twitter.com/#!/edokko_dey/

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長さ較べ(収録記 2011.11.23 の3)

写真は内田慈さんです。
内田慈っぽいブログ」から借りてきました。
ここまで写真の撮り忘れです、本当にすみません。

内田さんが読んだのは佐倉康彦さんの原稿です。
驚くなかれ、6枚もあるんです。
女性にはちょっと酷な長さだと思います。
体力いりますし、たぶんスポーツ選手並みの腹筋がいる。
そうなんです、声は肉体なんです。
赤松隆一郎さんとそんな話をしたばかり、
その赤松さんと入れ違いに来た内田慈さんは、でもしかし
ぬけぬけとこの長さをやり過ごしてくれる感じもしていました。
テンションが高くなりにくい人のように思えたし
なんか巧妙なすり抜けかたを知っているような気もしていました。

1回め…あかん、ぼろぼろだ。
2回読むのはしんどいだろうと思いましたがOKが出せないので仕方ない。
2回めでクリア。さぞタイヘンだったでしょう。
お疲れさまでした。

それにしても今回の原稿は長いのが多い。
赤松隆一郎さん8分19秒、
赤松さんは自作自演なのでナレーターが死ぬわけではない、
門田陽さん5分58秒。
これも原稿が長いのではなく時間のかかる読みかたをしているからいいとして、
佐倉康彦さん9分53秒を女性が読むのはやっぱりタイヘンなことでした。

1000字くらいでお願いね、ナレーターは基本ひとりよ、って
さんざん言ってるはずなのに、どうも掟破りが最近は多いなぁ。
このままではナレーターが壊滅するかもしれないので
なんとかしなくては。

しかし、佐倉康彦さんと内田慈さんの次は
さらにさらに長い宗形英作さんの原稿が待っていたのでした。
読んでくれたのは森田成一くん、この続きは収録記4で(なかやま)

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歌う人は読める(収録記 2011.11.23の2)

ええ、写真を撮り忘れているんです。
14時の瀬川亮くんも毬谷友子さんも、そして14時50分の赤松隆一郎さんも。
言い訳に他ならないですが、私が撮る写真よりも
画像検索でさがした上の写真の方がかっこいいと思うのでお許しを。

さて、Tokyo Copywriters’ Street は基本は自作自演禁止です。
長い原稿は素人が読めるもんじゃありませんし
声量がないとマイクの感度を上げるのでノイズを拾います。
山本高史という例外がひとりいますが
これは山本高史が本人じゃないと読めない原稿を書くからです。

赤松隆一郎さんが自作自演を申し出られたときに私が即OKしたのは
赤松さんが歌う人だからです。
歌う人は読めます。鈴木慶一さんしかり、吉田美和さんしかり
忌野清志郎さんしかり、巻上公一さんしかり
まだまだいましたよ、お仕事した「歌う人たち」

んで、赤松さんです。
とても長い原稿でした。声の疲労から考えて一発勝負と思っていましたが
5枚ある原稿のうち2枚めと3枚めの読みかたが私は気に入らない。
そこだけ読み直してもらわないといけない。
具体的なことは何も言わず、2枚めと3枚めは
ナレーター赤松隆一郎ではなく個人の赤松隆一郎が見える部分があるとだけ伝え
いっぺんプレイバックして読み直しです。
えっ….と、驚きました。
私が気に入らないところがことごとく修正されていました。

感度のいい人、耳のいい人だな〜と思いました。
やっぱり歌う人は読めるんですよ。
赤松隆一郎さんの自作自演は12月4日に公開されます。
お楽しみくださいね(なかやま)

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