冬の会津から 3 酒屋

冬の会津から3  酒屋

          ストーリー 小室市太郎
             出演 大川泰樹

ここにまずい酒はないよ。
酒屋のおやじが無愛想に言った。

きっと、どれもお薦めということなのだろう。
ここは造り酒屋ではなく、ごく普通の、町の酒屋だ。

この無愛想、慣れない人は、気後れしてしまいそうなものだが
自分の目利きに間違いない、というおやじの自信
会津人特有の頑(かたくな)で、シャイな気質を読み取れば
どうってことはない。

店には会津の地酒がずらりと並ぶ。
奈良萬、会津娘、國権、飛露喜、会津中将、
宮泉、名倉山、まだある・・・。
都会ではお目にかかれない逸品もそろっている。
この酒屋、日本酒以外の酒をいっさい扱っていないところにも
おやじのこだわりが伺える。

選びかねている僕に、おやじが助け舟を出す。
これ、いいよ・・・。
無愛想が、一升瓶を突き出している。
それは、今年の新酒だった。冬は新酒の季節なのだ。

今年の一番を試してみる。たしかに、うまい。
振り返ると、だろ、というように、おやじが無言で頷いていた。

会津にはいい酒がある。
そして、会津の酒は、会津で飲む方がうまいと思う。

福島県酒造協同組合http://www.sake-fukushima.jp/

Save the 東北の酒http://save-sake.com/

植木屋酒店http://www.uekiya.net/
 *動画の写真を拝借しました。ありがとうございます


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