「にゃんごろ」
ストーリー 荒木唯(東北芸術工科大学)
出演 大川泰樹
宮城県には、生きた神さまの住む島がある。
神さまは「にゃんごろ」と鳴く。
島へは一日3本の船便がある。
島の名は、田代島という。
神様の存在で、世界中に知られることとなったこの島は、
通称ìねこの島îと呼ばれ、島の外から多くの参拝客が集まっている。
島民の数およそ100人、猫の数はその数倍。
つまり、人よりも神さまが多いありがたい島なのだ。
古来より漁業を生活の糧としてきたこの島の漁師たちは、
猫の仕草でお天気を見極め、漁不漁を予測してきたが
そんなある日、
崩れた岩の下敷きになって死んだ猫を手厚く葬ったところ
その日から大漁が続き、海難事故もなくなったという。
以来、島では猫が神さまだ。
にゃんごろにゃんごろ、昼寝をしているように見えても
神さまはちゃんと島を守っておいでになる。
その証拠に、震災で港も船も流されたけれど
被害総額と同じだけの寄付が全国から集まった。
神さまたちの安否をたずねる声もたくさん届いた。
にゃんごろ、にゃんごろ。
津波のとき、神さまたちはこぞって山へ逃げていた。
海の近くにいた神さまは帰って来ないけど
きっと津波に乗って空にのぼり、島を見守っている。
にゃんごろの神さまは今日も元気です。
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