齋藤陽介から「ひと言」

齋藤陽介です。
今回『オレンジ』と『秋田美人』を読ませていただきました。
このTOKYO COPYWRITERS’ STREETも含め、
中山さんからいただくナレーションのお仕事はいつも、長めの文章で、
わりと自由に読ませてもらえるので、やっていてとても楽しいです。
高揚感すらあります。
なんなんでしょうこれは。

『オレンジ』の中に、
結婚の約束をしていた女の子と破局して
ウイスキーを飲みまくるという描写がありますが、
僕も似たような経験をしたことがあったので、
とても読みやすかったです。
あの時の僕は本当に腑抜けでした。
でも、そんな腑抜けタイムも受け入れてくれる曖昧な時間
「夕方」ってすごく大切だなあ、と思いながら読みました。

『秋田美人』は魚釣りの話で、
釣りなんて一度もやったことのない僕にとっては未知の世界でした。
でも、なかなか手に入らないものを手に入れたいと思う気持ちはよく分かります。
文章の中に「恋の駆け引きみたいだ」という表現もありますし。
結局、何かに恋しながら人間は生きているんだなとしみじみ思うのでした。

さてそんな僕ですが、近々舞台の本番です。
7月8日(火)から15日(火)まで、少年社中の『ネバーランド』という舞台に出演します。
4年前に上演されて好評だったため、時を経て再演されるようです。
僕は今回初参加で、インディアンの役をいただいております。
場所は青山円形劇場。
もうなくなることが決まってしまっている劇場なので、
この機会にぜひご観劇にいらしてみてはいかがでしょうか?

ご興味ございましたら、
http://www.shachu.com/nl2014/sp/ から詳細をどうぞ!

ではでは、また。
齋藤陽介

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大石雄士 2013年3月10日

「エノモトくん」

       ストーリー 大石雄士
          出演 齋藤陽介

高校時代のクラスメイト、
エノモトくんのことを思い出すと、今でもうっとおしい。
彼の口癖は「これCGじゃねぇ?」だった。
クラスの女の子がアメリカ旅行のおみやげに
自由の女神のポストカードを買ってきてくれたときも、
世界史の授業で、
教科書にパルテノン神殿の写真が出てきたときも、
周りの友達に「これCGじゃねえ?」と聞いていた。

ある日、そんなエノモト君と学校から帰る
タイミングがたまたま一緒になり、
どういう流れでそうなったのか、
彼がうちの家に寄っていくことになった。
やることもないので、適当にマンガを読んだり、
何を見るでもなく、テレビをつけて一緒に見ていると
クルマや、特撮ヒーローのロボットが出てくるたびに
「これCGじゃねえ?」「これCGじゃねえ?」と聞いてくる。
ボクはそのとき「どうだろうね」と答えることしかできなかったのだけれど、
動物とか、洋服とか、どうみてもCGじゃないモノが
テレビに映ったときも「これCGじゃねぇ?」「これCGじゃねぇ??」
と聞いてくるエノモトくんが、かなりうっとおしかった。

「これCGじゃねぇ?」「これCGじゃねぇ!?」
もう二度と、エノモトくんとテレビは見ないと思った。
そのあと、あれは何の番組だったのか、コマーシャルだったのか、
白やピンクのコスモスのような花が草原一面に広がる風景が
テレビ画面いっぱいに映ったとき、「これもCGかもしれないね」と
エノモトくんに言ってあげたら、
「いや、これはどう見ても花でしょ・・・。」
と真顔で返され、さらに腹がたったのを覚えている。

そのあとは、またエノモトくんはテレビに映るあらゆるものに
「これCGじゃねぇ?これCGじゃねえ!?」と
興奮気味で聞いてきたが、
ボクはそれを、すべて無視した。
あのエノモトくんが、いまどんな大人になったのか知らないけれど、
あれだけ全てのものにCGと疑いをかけていたエノモトくんが
あのとき、あの花たちだけなぜ「CGじゃない」と断言してきたのか
いま考えると・・・、やっぱり腹がたつ。

出演者情報:齋藤陽介 03-5456-3388 ヘリンボーン所属

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齋藤陽介から「ひと言」

最近パソコンを購入したので、
ようやく東京コピーライターズストリートのページを
見ることができました。
そこで、そうそうたるメンバーの中に
自分の名前が並んでいることに驚きました。
と同時に、嬉しかったです。

前回自分の読んだ「路地の話」をはじめ、
いろんな方の語りを聞かせていただきました。
正直、「ネット配信だけなんてもったいない!」と思いました。
それぐらい、ほんとにいいですよこの企画は。
また、ぜひ呼んでください。喜んでやらせていただきます!
森田さんにもよろしくお伝えくださいませ。

少し宣伝をば。

今年の頭から、劇団に所属しております。
ホチキス」というところです。
お芝居もエンターテイメントな感じで面白いし、
主要メンバーが僕と同じ岐阜県なので親近感もあったので、
前々からもらっていた所属のオファーを受けまして、
このたび齋藤陽介(ホチキス)となりました。

僕の他にももう一人劇団員が増えまして、
新生ホチキスとなりました我々は、4月に本公演を控えています。
こんなかんじ↓


ホチキスvol.29
『クリエイタアズ☆ハイ』

2013年4月17日(水)~28(日) ※24(水)は休演日
@下北沢OFFOFF劇場

詳しくはホームページを参照してください!
http://www.hotchkiss.jp/top.html

また、ホチキスとは別に、小規模な演劇ユニットも主宰しております。
「タイマン」という名前です。
今年の1月にすでに第一回公演を終えまして、
次回は8月を予定しております。
まだまだホームページはあまり充実していませんが、
よろしければのぞいてやってください。
http://taiman.seesaa.net/

ではでは、また!
 齋藤陽介

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阿部光史 2012年12月2日

『路地の話』

          ストーリー 阿部光史
             出演 齋藤陽介

出張で、生まれ故郷にやってきた。
しばらく帰っていないせいか、ずいぶんと久しぶりに感じる。

仕事の時間が空いたので、なつかしい場所を歩いてみた。
坂の多い街。子供の頃遊んだ場所。

道幅が狭く、車が通れない路地が、たくさんある。
階段も多い。誰も知らない秘密の小路も、たくさんある。

様々な遊びの思い出が詰まっている小路を、あてもなく歩いていた。

ある家の庭にある、見覚えのある楠の木が、そのまま残っていた。
その懐かしく、見事な様(さま)を見上げていた時だった。

『ガチャリ』

どこかから、鍵の音と、ゆっくりとドアが開く音が聞こえてきた。
少しさび付いた蝶つがいの、重いドアの音。

なんだろう、と思っていると、ふわり、と風が、路地を吹き抜けた。
ざざざっと、木の葉の擦れる音が広がっていく。

いきなり道の角から、子供の集団が、勢い良く現れた。

数人はいただろうか。
イマドキにしては、ずいぶんと元気の良い子どもたちだ。

私にぶつかりそうになりながらも、上手く避けて走り去っていく。

髪型も、服装も、なんだか懐かしい子どもたちだ。
手には銀玉鉄砲を持っている。
あんなオモチャ、まだあるんだな。

いや…

ちょっと待て。

あれは五十嵐に、遠藤に、田辺、
それに山下もいるじゃないか。

そして一番後ろを走っているのは…

僕だ。

私の横をすり抜ける時に、横顔がちらりと見えた。
あれは僕だ。間違いない。

子供の集団は、一段の風となって、路地の角を曲がろうとしている。

私は思わず、小走りに彼らを追いかけた。
唇が動いたが、言葉が出てこない。

どこからか、ドアがぎぎっと閉まる音が聞こえてきた。

私は急いで角を曲がった。
しかしそこには…

子どもたちの姿は、もうどこにも無かった。

『ガチャリ』
ふたたび、鍵の音がした。

風はもう、すっかり止まっていた。
私は、肩で息をしながら、その場に立ち尽くした。

静かだった路地を、ゆっくりと街の騒音が満たしていく。
今のは、夢だったのだろうか。

しかし子どもたちの声は、まだ頭の中にこだましていた。

あの鍵を開けたのは、誰だ。
もう一度、開けてくれないか。
お願い、誰か鍵を、もう一度だけ。

出演者情報:齋藤陽介 03-5456-3388 ヘリンボーン所属

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齋藤陽介から「ひと言」

「路地の話」を読ませていただいた、ヘリンボーンの齋藤陽介です。
収録の日は少し雨が降っていて、肌寒い日でした。
収録自体はすぐに終わってしまったので、
もっとたくさん録って(あったまりがてら)のんびり過ごしていきたかったなーとか、
少し思ってました(笑)
またぜひ呼んでくださいませ。

ちかぢか舞台公演があるのでお知らせさせていただきます。
2本あるので、順番に。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

まずはこちら。

【夏葉亭一門会vol.5】

● 開催日時:2012年12月11日(火)15:00開演
● 会場:王子小劇場
 (〒114-0002 東京都北区王子1丁目14-4 B1F/王子駅より徒歩5分)
● 出演(出演順ではありません)
 夏葉亭空豆【known as 齋藤陽介】
 夏葉亭パラク【known as 小川武倫】
 夏葉亭浅葱【known as 石黒圭一郎(ゲキバカ)】
 夏葉亭雛菊【known as 永島敬三(柿喰う客)】
 夏葉亭ザクロ【known as 島岡亮丞】
●チケット:前売1000円 当日1200円

これは、舞台俳優が落語をやるという企画でして、
北区は王子小劇場にて行われています。
今回はその5回目。
わたくし齋藤陽介は「夏葉亭空豆」の高座名のもと、
過去2回出演させていただきました。
このたび、1年ぶりに高座に上がらせていただきます。
ちなみに最初にやった噺は「時そば」、2回目は「芝浜」でした。
普通の噺家さんだったら真打ち昇進しなければできないような噺でも、
自分の裁量で選んで高座に上げられるところが、この企画の醍醐味だと思っております。
今回やる噺は……内緒です。
ぜひ、劇場まで足を運んで聞きにきてくださいませ!一度きりの公演です!
ご予約はこちら→http://ticket.corich.jp/apply/41044/004/

夏葉亭HP:http://natsubatei.seesaa.net/pages/user/m/index

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

2つめはこちら。

【東京ネジ カフェ公演「mug couple 2」】

作:佐々木なふみ 演出:佐々木香与子

●日時:2012年12月20日(木)~23日(日)
○タイムスケジュール
20(木)19:30
21(金)19:30
22(土)16:00/19:30
23(日)14:30/18:00
※受付開始は開演の30分前です。
※開場は開演の20分前です。
※上演時間は60分の予定です。

●会場:Gallery&Cafe FIND
(〒114-0034 東京都北区上十条2-9-1/十条駅より徒歩4分)
●チケット:前売1800円 当日2000円(ワンドリンク付き)
●出演
佐々木香与子
佐々木富貴子
佐々木なふみ
(以上、東京ネジ)

安田有吾(コンドルズ)
寺部智英(拙者ムニエル)
齋藤陽介

東京ネジは、佐々木香与子・富貴子さんという双子の姉妹と、
偶然にもその双子と同じ名字の佐々木なふみさんが立ち上げた、
盛岡出身の劇団です。
今回出演させていただくのは、本公演とは違いカフェでやる公演です。
男女3人ずつ、それぞれの巡らす思いが交錯する60分の会話劇です。
東京ネジの3人と、経験豊かな2人の男優さんに交じって、
濃密な時間を提供できるように鋭意稽古中です!
クリスマスデートがてら、ふらっと立ち寄っていただくくらいのつもりでどうぞ。
もちろんデートがてらじゃなくても大歓迎です!

ご予約は、ごめんなさいフォームがないので、
東京ネジのホームページを参照してくださいませm(__)m

東京ネジHP:http://www.tokyoneji.com/

長々と失礼いたしました!
風邪などにお気をつけくださいましまし。

齋藤陽介:http://ameblo.jp/311044k/

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