収録記

ColumnA

「中山さんごめんなさい」



岩田純平くんからTokyo Copywriters’ Street の原稿が送られてきたのは
先週のことだった。ほぼ締め切り通りだった。
「ほぼ」というのはつまり
遅れたけれど他の執筆者よりは早いという意味だ。

キタッと思って添付ファイルのタイトルを見て
なにやら不吉なものが脳裏をかすめ
ちょうど来客も到着したのでそのまま自宅のパソコンに転送した…
つもりだったがなぜか転送に失敗していた。

その添付ファイルが上の写真だ。
あ、クリックして読もうとしても開きませんよ、写真だから。

そうして不吉なタイトルのことも忘れ
平和な週末を過してやっと月曜日に原稿を読んだ。
その原稿は節電中のプラットホームからはじまり
Tokyo Copywriters’ Street の締め切りに苦しんだ様子が
縷々と述べられている。
それは原稿というよりも言い訳だが、
妙に面白いところが岩田純平くんらしく没にする理由はなにもない。
というか、うかつに没を宣言するとタイトルのせいだというのが
あまりにもバレバレなので、それもできない。

がっ、しかしこのタイトル…
どうすればいいんだろ〜(なかやま)

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収録記 2011年3月21日

4月分の収録は無事に終わっている。
私はいつも通りパンなどを買って14時に到着。
バチバチと暖房をつけ、お茶とコーヒーを用意していると
ほどなく森田も来た。

15時、志村享子さん。今回の紅一点だ。
女子なので日が暮れて寒くなる前に終わらせないと
収録中は暖房を消すので寒い。
16時、モリヤが来た。モリヤは遠藤守哉というのだが
私は勝手にモリヤと呼んでいる。
モリヤは世界の極小の部分のみ神経質に整理整頓し
残りはまったく気にしないタチだ。
そういう人間を相手にする場合は作戦がいる。
つまりこういうことだ。

モリヤはきっと収録中であろうとなかろうと
ドアの向こうの状況をまったく気にしないで
ピンポンピンポンピンポンとドアチャイムを鳴らすに違いない。
しかも何度も鳴らすに違いない。
さらに15分近く早くやってくるだろう。
よし、予定は15時45分だがこっちもサバを読んで16時と伝えておこう。

作戦は成功した。
志村さんがOKテイクの最後の1行を読み終わったとたん
ピンポンピンポンピンポンピンポーーン…ピンッポォーーーン
ドアチャイムが鳴ったのだ。
こうして志村さんと遠藤守哉の収録はつつがなく終了した。
ピンポンモリヤはテイクワンOKだった。
地震の日も家にいてこれといったドラマもない。
手作りの神棚(どこぞのお札を貼ってあるらしい)が落ちたらしいが
それは地震のせいか棚の出来ばえが神のお気に召さなかったのか
そこんとこが判然としない。

次が瀬川亮くんだった。
瀬川くんは地震の日は吉祥寺からタクシーに乗れたので
これといったドラマはなかった。
そのかわり地震後が面白い話があった。
私同様に電池の買い置きをしていなかったので苦境におちいり
関西の親戚に助けを求めたら大きな荷物が送られてきた。
なんじゃこりゃ…開けてみると電池が300個。
関西まで波及した電池の買い占めは
瀬川くんの親戚が発端なのではなかろうか。
しかし瀬川くんはその電池をひとり占めしたわけではなく
困っている人に分けたそうで
結果的にはみんなの役に立ったのだ。
できれば私も欲しかったぞ。

4番めは地曳豪くん。
地震の日に浦和から府中まで歩いて帰った元気ものだ。
靴下の爪先と踵に穴が開いたそうだが、
そのくらいで済んで本当によかった。

ラストバッターは大川泰樹くん。
この人は今回最長の原稿を読むことになっていた。
長い。とにかく長い。
執筆者古川裕也(少年という敬称がつく)は
前回書いてもらったときも長すぎて番組時間内におさまらず
えらいことになったのだが、今回もいやまして長い。
長い原稿をリズムを崩さず声のデコボコもなく
きちんと読むのは実はたいへんなことなのだが
でも大川くんは読んだ。いい仕上がりだった。
終わって片付けてご飯を食べに行った店で
最強かつ最恐のミキサーである森田が大川くんをベタベタとほめていた。

収録後はいつも後片付けを手伝ってくれる大川くんに
今回片付け初参戦の地曳くんも加わり
ラーメン屋で終電近くまで飲んだ。

そういえば収録中は地震がなかったが
電圧が下がっており、音が悪くなると森田が言っていた。
機材は100ボルトの電気を食べさせないとちゃんと働かないのだ。
こういうところにも微妙に地震の影響があるのだな〜(なかやま)

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明日が収録です

明日は4月分の収録です。
声をかけた人、ひとり残らず「大丈夫です」というのですが
いつ停電になるかわからないし
いつ電車が止まるかわからないし
ああ、それどころではない地震がくるかもわからないですが
みなさん、厚着をしておいでくださいね。

段ボールスタジオは収録中は暖房を消すので寒いです。
別名を省エネ収録。
こんなことで威張っている場合ではないですが(なかやま)

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4月は長編作家がそろってしまいました



4月の執筆者5人のうち3人までが長編作家であることに気づき
おくればせながらあせっている。

原稿は揃っており、
もうキャスティングと収録の日を調整中なのだけれど
ここに至って長編作家の占有率が高いことに気づいたのだ。

ポケット社の社長
コピーライターの左ポケット」という番組の原稿を依頼するとき
1000字くらいでお願いしますと言っている。
この1000字を番組ナレーターの柴草玲さんが読むと
5分と少しといったところだ。ちょうどいい。
1150字の社長の原稿は6分28秒だし
826字の細田高広くんの原稿は4分28秒だ。

さて、そんなわけで1000字を基準にして
Tokyo Copywriters’ Street の原稿をそれぞれ計って短い順に並べると
神谷幸之助、1.1倍。
中山佐知子、1.1倍。
佐倉康彦、1.3倍。
直川隆久、1.6倍。
そして古川(少年)裕也、2.3倍。

「佐倉康彦1.3倍」は競馬のオッズと考えても手堅く見えるが
これはゆっくり読まねばならない原稿なので
レースが終わってみると意外と高い倍率になるような気がする。
「古川(少年)裕也2.3倍」にいたっては
ゆっくりプラス倍率が高く、挑戦的でさえある。

12月の「幸せの味」では
youtubeにアップする時間数を超え(しかし面白かった)
前編後編に分けたほどの超超長編を執筆した「直川隆久1.6倍」は
たぶん、3月とはいえまだ寒いなかを
暖房を消して収録する我々に気を使ってくださったのだろう。
今回はいっぺんでアップできそうな長さだ。
短くはないが「古川(少年)裕也2.3倍」ほど凶暴な長さではない。

しかし、なぜ長編作家が三人もいることに気づかなかったのだろう。

長編は収録も時間がかかるので
ウイークデーの夜にイッキに録りきるのは無理だろうと思い
いま3月お彼岸の3連休のどれか一日をつぶして
昼間からとりかかるべく調整している。
なので我々に3連休はありません、はい(なかやま)

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CDを焼いております



収録が終ったらCDを焼く。
当日ではない。別日にやるのだ。
だって音声ファイルからiTuneに放り込んで
タイトルやら執筆者やらナレータ−やらの名前を打ち込んで
CDを20枚近く焼いてジャケットもつくるとね、
これは数時間かかるんだもん。
酒を飲みに行けないじゃないか。

だから別日にやる。
昼から取りかかって夕方に袋に詰めてという感じ。

枚数はナレータ−と執筆者とナレータ−の事務所、
プロデューサーの林屋さん、TCC事務局、
ある事務所がキャスティングの参考資料で欲しいというので
その分も焼いている。

さて、3月は何枚になるでしょう。
そうです、18枚。
パソコンがとろいので時間がかかる。
あ〜、こら。ジャケットに凝るな。
と、自分に言い聞かせながらやっぱり写真をさがしてしまう。
今回はゴッホの野原にした。

塵も積もればというけれど
本当にこういう作業量が積もった山で
そのうち高山病になるかも…(なかやま)

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3月分収録の夜でした



先月に較べたら暖かい夜でした。
天気予報で発表される気温は変わりなくても
なんでしょう、このふわっと暖かい感じは。
痛いほど乾いた冬の空気から
湿気を含んだ春の空気に変化しつつあるのでしょうか。
なにしろエアコンを消しての収録ですし
収録後は夜遅い街をうろつくので
気温や湿度には敏感になるわけです。

さて、昨夜(2011年2月22日)は
Tokyo Copywriters’ Street 3月分の収録でした。

トップバッターは、19時山田キヌヲさん。
去年海外に行ったときに買ったという電子辞書を持参で、
さらに原稿は自分でアクセント記号を入れて
別紙に書き写しているという用意周到ぶりです。
このまじめさ、爪の垢をいただきたいくらい。

二番手はPecker さん。
私はナレーターとして知り合いましたが
本職はパーカッショニストらしいです。
それもかなりの人らしいです。
ミキサーの森田がそわそわしているのでわかります。
森田がそわそわするのはトップクラスのミュージシャンと
小錦くらいです。
小錦については、森田は力士としてでなく歌手としてとらえ、
そわそわしたわけなのです。

さて、三番手は森田成一くん。
この人の読みを聞いていると、腹筋が強いなと
つくづく思います。
声は肉体です。ナレーター志望のみなさん、カラダを鍛えましょう。
去年読んでもらった安藤隆さんの「はじめのふたり」もそうでしたが、
ゆっくりと丁寧に、長いものを読んで微動だにしないのは
土台がかなりしっかりしているからなのです。

そういえば「自分も書きたい」といってましたが
別枠を設けて森田くん自作自演なんてことが
そのうち起こるかもしれないです。
ファンの皆さま、お楽しみに。

さて、ラストバッターは大川泰樹くん。
この人にはいつも機材の後片付けを手伝ってもらっています。
そのくらい古い古い仲間です。
ライブのリハなどで慣れているので
コードを巻き取るのがたいへん上手だったりもします。
森田&大川が機材を片付けている間に
私が湯飲みやコーヒーのポットを洗い、
さて、最後まで残った三人で
飲みに行くかという次第になるわけです。

昨夜はディープな築地の居酒屋へ行きました。
下の写真は
マグロの刺身、ミル貝の刺身、マグロの頬肉の炙ったのや
何かの内臓や、河岸からやってくる海のものがたくさん。
予算0円のプロジェクトなので、こんな打ち上げも割り勘ですが
22時くらいから2時過ぎまでさんざん飲んで、
ひとり5千円は安かった。また行こう。

あ、毬谷友子さんは別日の収録です(なかやま)

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