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武田義史のカンヌの誘惑-⑤

Shortlistはアイデアの宝庫!朝イチ観賞のすすめ

2014年第一弾のコラムは、会場でしか観ることのできないShortlistの魅力と、
その中から実際に企画する際の参考となる“お気入り”を見つけ出すための
エキシビション観賞のTIPSをご紹介したいと思います。

念のため、Shortlsitを説明しますと、
金銀銅グランプリを決定する一歩手前の最終候補リストであり、
その数は全エントリーのおおよそ10%くらいです。
選ばれると認定証がもらえたり、
エージェンシー・オブ・ザイヤーのポイントが加点されることから
「入賞」扱いされることがあります。

エキシビションとはグラフィック系とキャンペーン系の
Shortlistのプレゼンボードの展示や
デジタル系のエントリーをPCで観賞する場です。
その数、プレゼンボードだけでも推定2,300枚!
時間とお金を費やしてカンヌを訪れる理由の一つは、
この膨大な数のアイデアにどっぷり浸かれるところだと思っています。

確かに年々、情報の充実度が半端なく増していくカンヌ公式Webサイトですが、
ボードやビデオを視聴できるのはブロンズ以上です。
その裏で惜しくもメダルには届かなかったShortlistでも、
実務上では大変勉強になるものが膨大に存在しています。
制約の多い日本では、むしろ実現性という意味では
Shortlistの方が実務の参考になるかもしれません。
まずは、実際に会場で見つけたキャンペーン系のShortlistの中から
いくつかご紹介したいと思います。

Coca Cola 「The Gift Bottle」

コカ・コーラのPETボトルの帯ラベルを引っ張ると、
ラッピングリボンに変形し、
クリスマスギフトとしての体裁に早変わりという極めてシンプルでありながら、
まさに“Open Happiness”を体現した仕掛けです。
グアテマラのキャンペーンとして始まったものがその評判から、
その後、中南米、南米に広がり、ヨーロッパまで拡大したという、
グローバルな拡販に繋がった素晴らしいアイデア。

なのに、カンヌではPromo, Direct, Branded Content でのShortlist止まり。
精算する前にいきなりラベルを引っ張ったビデオが
やらせっぽく見えてしまったのか?
または、他のコカ・コーラのエントリー、
例えば、“Small World Machine”といったものと比べると
スケールが小さくみえてしまったのか?
メダリストにおいて、商品の実売に直接繋がったエントリーは意外に数少ないので、これはブロンズ以上を獲って欲しいと思っていました。

Norte「WIDE THUMB」

アルゼンチンのビールNorteが、飲み口の広い新ボトルのローンチとして、
ボトルを振って“ビールかけ”するときに綺麗な噴射を可能にする
『大きな親指サック』をベタ付けしたというもの。

実際にビールかけに使うかどうかは別にして、
店頭でのインパクトや“なぜ?”“試してみたい”といった認知/理解/行動を促す
素晴らしいアイデアですね。

Clouds 9「Frozen in the clouds」

オーストラリアの新フローズンヨーグルトブランド「Cloud9」が、
若者に向けたローンチとして
凍る前の状態のヨーグルトを気球で気温の低い高所まで飛ばして、
凍るかどうか?をライブ中継したという実験プロモーション。
無事に凍って地上に帰還した商品をブロガーに食べてもらい、
2次的なバズも広げたみたいです。
日本でも以前、SAMSUNG・GALAXYが宇宙にスマホを飛ばして、
ライブ中継しましたが、その事例に似てしまったのが
メダルに届かなかった理由でしょうか。
ヨーグルトを空で凍らせることでフローズンであること伝えるバカバカしさを
上手く商品へ興味のモチベーションとして変換しているアイデアはいいですね。

Shortlistはメダリストになったものと比べると、
全般的に商品の広告やプロモーションとしての側面が強いものが多く、
評価のプラスアルファとなる、社会的な意義、カンヌの歴史上の意義、
スケール感の面が弱いのかもしれません。
しかし、日頃のクライアントから求められる
課題解決“商品の購買につなげるアイデア”という意味では、
眼ウロコなアイデアの宝庫と言えるのではないでしょうか。

では、そのShortlistエキシビションを効率的に観賞するために
私が実践した方法を紹介します。

①MEDIA LIONやPROMO & ACTIVATION LIONからチェックする。
理由としては、カンヌのキャンペーン系部門はエントリー重複が多いので、
まずはリアルもデジタルも、マスメディアもアンビエントメディアも
何でもアリの異種格闘技戦の様相をみせ、
かつエントリー数が多い上記2部門のどちらかをチェックしてから、
他部門をチェックするとダブリを省けることとなり、
各段にスピードアップします。

②カンヌアプリを有効活用する。
一昨年から展示ボードの脇にQRコードのラベルがあります。

これはカンヌ公式アプリの機能“GOODY BAG”というもので、
アプリのQRコードスキャナーを起動させて読み取ると、
カンヌWebサイトの“MY CANNES”の中で、
ボードの画像をダウンロードできるというサービスです。
これを使って、お気に入りの作品はもちろん、
難解な作品はキープして後日ゆっくりと解読できるという意味で
大変便利なサービスです。
利用するにあたっては
・アプリ内の“My Settings”からMY CANNESのIDと紐づけしないと保存されない
・ボード画像をダウンロードできるのがカンヌ最終日から1週間後
・今日現在(2/3)、カンヌアプリの中にこの機能が搭載されていない
という点に注意してください。

③Youtube、Vimeoを活用する
カンヌのShortlistに残るくらいの作品は
動画共有サイトにプレゼンビデオをアップしているのがほとんどです。
会場にはWifiが飛んでいるので、スマホやタブレットを使って動画を探して、
その場で視聴すると理解の助けとなります。
最近は、画像の左下のようにボードにQRコードを印刷し、
動画視聴を促すものもあります。

④観賞時間は朝イチが狙い目
カンヌウィークは皆さん夜遅くまで交流するためなのか、
朝イチのエキシビション会場は人もまばらです。
私は混雑してくると想定している順序通りに観賞できないため、
毎朝9時を目安に会場に出向いていました。
また、前述のカンヌ公式アプリのGOODY BAG機能や動画サイトを使うためには
Wifiが必要なのですが、
会場で飛んでいるカンヌ公式Wifiは午前中の方が繋がりやすいです。
デジタル系の場合もキオスクPCの台数が限定されているので、
空いている確率が高いです。
余談ですが、朝イチはカンヌ公式サイトクルーの取材を受けたり、
ヤングカンヌに出場のオーストラリアコンビからは
“作品にエキストラとして出てくれ”と演技させられたりと面白い出会いもあります。

⑤解説ツアーに参加する
会場にいると集団で観賞している解説ツアーらしきグループに
遭遇することがあります。

指南役の人がiPadを片手にこれぞというボードの前で動画をみせつつ、
解説するというものです。
たまたまなのですが、某グローバルエージェンシーのとあるグループの傍らで
聴いていたら、「どうぞ」と誘われて、参加させていただきました。
内容は単なる解説だけでなく、
“何がアイデアで、どう評価されたのか”というところまで踏み込んで
話をされていたのが印象的でした。

以上、キャンペーン系のShortlistやエキシビション観賞の話が中心となりましたが、
グラフィック系も同様です。

ショーアップされたセミナーに比べるとエキシビション会場は静かなのですが、
自分のお気に入りを発見するワクワク感、
“これはやられた”というアイデアと出会った時の悔しさ、
清々しさ、想定外の国際交流?など、
感情が高ぶる時間を過ごせることができるのではないでしょうか。

皆さんも世界から選りすぐられたアイデアに囲まれた熱い空気の中で、
テンション高くなる出会いを味わい、
アイデア発想のスキルアップをしてください!

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TCC賞エントリーサイトがオープンしました

TCC賞のエントリーサイトがオープンしました。
上の写真をクリックすると応募要項に飛びます。

今年はグラフィックとWebの他、
CMもオンラインでの作品提出ができるようになります。
他にも「今年は」とか「今年から」がありますので
応募要項はよっくよく読んでくださいね。

応募サイトはこちらです。
http://tcc-award.com/entry/?action_top=1
がっ、ともかく応募要項を読んでください。

それから、スポンサー名、出演者の名前、スタッフリストなどは
お間違いのないようにお願いします。
あなたの間違いはそのまま掲載されます。
そして、年鑑が発行されてから騒ぎになることがあるのですよ。
これ、ホントですからね。お願いしますね。

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わざおぎ池田成志

池田成志が紀伊國屋演劇賞受賞ということで
受賞パーティの引き出物だと思われる白扇をいただいた。
右に賛がある。
「わざおぎへ えど平成の 美かん船」

「えど平成」は誰でもわかる。「美かん船」はみかん船で、
江戸時代の伝説の豪商紀伊國屋文左衛門が紀州からみかんを運んで
財を築いたことにちなんでいるが、
紀伊國屋演劇賞を主催している紀伊國屋書店と
紀伊國屋文左衛門は実は何の関係もない。
何の関係もないけれども、みかんが不足していた江戸へ向けて
嵐のなかを船を出し、紀州からみかんを運んだ文左衛門は
一躍江戸のスーパースターになったので、
同じ屋号の紀伊國屋から賞をいただくのだし、
あのときの紀伊國屋文左衛門の沸き返るようなその人気を
「わざおぎ」池田成志にという、
これは書いた人の願いでもあっただろうと思う。

さて、この「わざおぎ」だが、手短に訳すと「役者、俳優」だ。
「わざ」がいわば芸能のことで、かつての芸能は神に捧げられていた。
芸能によって神を招く、いわば呪術が「わざ」だったのだ。
そして「招く」と書いて「おぐ」と読んだ。
「おぎ」は招きであり、
芸能によって神を招くのは、アメノウズメが歌い踊って天岩戸を開き
アマテラスを再びこの世に招いたのがはじまりで、
「わざおぎ」とは芸能という呪術を使って神を招く人をいう。

さて、ここに池田成志という「わざおぎ」がいる。
実力は余るほど持っているし
面白い役者であることは誰もが認めるところだが
その経歴にたったひとつ足りないものが「賞」だった。
なぜかわからないが無冠だった。
成志が無冠というのは理不尽だったが、
本人のキャラを思うとかえってそれは面白く、
ときにはかっこいいように思えていたから不思議だ。

この国の神代の昔からつづくわざおぎの、
その賞罰を司る…といっても
近ごろは世阿弥のように島流しになった役者の話はきかないので
賞をのみ司る守護神というものがもしいたとすれば、
守護神にとっての池田成志は
タンスの向うに落ちている500円玉のような存在だったと思う。
あ、あんなところに500円玉があるな、と、いつも見えてはいるのだが
45センチくらいのモノサシで引きずり出さないと届かない500円玉。
でもあると思うとなんだか安心できて
いつしかタンス預金と化してしまった500円玉。
あそこに500円貯金しているんだから
いまこの財布の500円使ってもいいよね、みたいなことで
何度も役に立っている500円玉。
財布の500円玉よりずっと存在感があった500円玉を
「惜しいけど使たろ」と思ったのはなぜだろう。
着払いの荷物を届けに来た宅配便のお兄さんに
「500円ありませんか〜」と言われて切羽詰まったとか、
奥さんに「私がもらう」と言われてあわてたとか
いいかげんな理由しか思いつかないが
とにかくこうして成志の500円玉は守護神に引っ張り出されたのだ。

わざおぎ池田成志は、身を捨ててもおもろいことをやりたい、という
わざおぎ本来の特質を持っているが
これのどこが面白いんじゃいという批判力も旺盛なので、
後輩には慕われたり心配されたりしているのに
上には煙たがられることが多いのではないかと想像できる。
しかしまあ、その、「わざおぎ」は本来神を相手にする仕事なので、
上の人の件については、(本当はマネージャーが泣いていると思うけれども)
仕方ないということにするしかないのでしょうね、この人の場合は(なかやま)

池田成志の紀伊國屋演劇賞受賞スピーチ全文
http://www.01-radio.com/tcs/archives/25704

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池田成志の紀伊國屋演劇賞受賞スピーチ全文掲載

池田成志が紀伊國屋ホールで受賞のスピーチをしたその全文を
所属事務所の社長の吉住からもらって読んだ。
これは池田成志史(つまり成志の人生の歴史)に残る名スピーチだと思った。
よしっとばかりにここに掲載してそのことを吉住に知らせたところ
コメントも書いてくれ、イキウメの写真も載せてくれという
うるさい注文が来た。

書きはじめると長くなって、読む人がスピーチに至る前に
気力を使い果たしてしまう心配があるので手短に書くのだが、
池田成志のまわりの人々は成志の受賞が心底うれしいと同時に
せっかく無冠の帝王だったのに冠ひとつ取ってしまったよ、ありゃー…
というような、ある意味残念な気持ちもあるのではないかと思う。
そしてまた、それ以上にうれしい、でも残念、でもうれしいみたいな、
でも結局のところ「残念」もうれしいの一部だと気づき
ああよかったなあと思う気持ちでおさまっていくのだと、
これは自分も含めてそう思う。

それにしても、こんなに面白い役者がいままで無冠だったのが
なんだか不思議だが、
思えば日本でいちばんノーベル賞に近い作家といわれる村上春樹も
実は芥川賞を取っていないので、まあこういうこともあるのだろう。
しかも成志の場合は、無冠という理不尽が
本人のキャラのおかげでまったく理不尽に思えなかった。
むしろカッコいいじゃん、みたいに思えていたから、
これまた不思議だ。
成志はそういえばCM業界にもあまり声をかけられていない。
これも池田成志の七不思議のひとつだといえる。
顔に問題でもあるのだろうか??(なかやま)

* 写真はクリックするとバカでかくなります。
  しかも巨大な写真のおかげでこのページは重いですが、吉住のせいです。

池田成志の受賞スピーチ

(咳払い)イケダナルシでございます。
本日は思いもしなかった賞をいただきまして、本当にありがとうございます。
え〜。こういった賞を頂く事に全く馴れておりませんので、
いったいどういう態度を取ればいいのかと悩みながら年を越したんでございますが、ま、結局私の家族は全体的に有頂天になりながら
ふわふわとお正月を迎える事ができました。大変幸せでございました。
ありがとうございます。やっぱりあの、賞を貰うっていうのはいいもんなんですね。
本当にありがとうございます。噛み締めております。

 紀伊國屋ホールといえば、我々若い頃は憧れの、殿堂の小屋でございまして
「まず紀伊國屋へ、紀伊國屋へ」を合い言葉に頑張っておったんですが、
私がここに初めて立たせて頂いたのは1985年ですから、
もう30年近く前になるんですけど、
第三舞台の『朝日のような夕日をつれて』という作品でございまして。
恐らくですね、スケジュールが空いてたんでぶっ込んだと思うんですが、
5日間で9ステージという、ま、ゲネプロがございますから、
結局5日間で連続昼夜2回公演という、恐ろしいスケジュールだったんですけども。
案の定、私、シャカリキに頑張っていたんで
喉の調子の方を若干おかしくいたしまして。
演出家の方から、ぶっちゃけ鴻上さんのほうから、
各方面にお達しがあったそうなんです。「池田アイツ、たばこ吸ってるだろう。
アイツ喉の調子がおかしいのにたばこを吸ってんだ」と。
「成志がたばこを吸ってるのをみつけたら、すみやかに俺に報告するように」と、
まるで秘密保護法のようなことをおっしゃったんですね。
私、そういうものが大嫌いなタチでございまして、すぐさま反発いたしまして、
ただその、まっすぐ反発しないのがまた私の悪いとこなんですが、
冗談じゃない、と。俺のストレスはどうしてくれるんだというわけで、
人目を忍んで楽屋を出まして、5階の売り場に出て右手にあるトイレに入りまして、
大の方に入ってしゃがんでタバコを吸っていたという。
あの時は本当に紀伊國屋書店さん、申し訳ございませんでした。
そんな私にこんな賞をいただけるなんて、
本当に紀伊國屋書店さん、誠にありがとうございます。
もう時効なんでどうか許してください。

 え〜去年、2013年はたくさんのお芝居がございましたけども、
は私がスゴいなと思っていた作品が、人がいまして。
まずは今回私の対象になりました『MIWA』の宮沢りえちゃん、すごかったですね。
それから『ゴドーは待たれながら』の大倉孝二君、
そして『地下室の手記』の安井順平君。この3人はほんとスゴかったと思うんですね。ものすごい膨大なものを凝縮させてこなして、
素晴らしい表現をしてたと思ってたんですけども、
その方々を差し置いて私が賞をもらえるなんてことに
未だに信じられないんですけども。
特に一緒に稽古をしていた宮沢りえちゃん。
『MIWA』の稽古が始まった序盤の頃は、
「わたしこんな膨大なもので大丈夫かしら。わたしお正月まで生きているかな〜」
なんてこぼしてましたが、結局見事に生き抜いて
素晴らしい成果をお出しになられたんですけども、
その『MIWA』の稽古場というのは本当にスゴくてですね。
その膨大なものを前にして、鬼の野田秀樹がですね、
もう、どんどんどんどん変更を加えるんですね。
そしてまた、りえちゃんそれにどんどんどんどん応えるという
大変な現場だったんですけども、そういう大変な方を横目に見ておりますと
さすがに私も反省いたしまして。これはいかんと。
今回は丁寧に丁寧にやらなきゃいかんなと思いました事が、
今回の賞につながったんじゃないかと思っておりまして。
本当にそういう意味でもりえちゃん、野田さん、そしてノダマップの皆さん
本当にありがとうございました。

 そしてもう一本、イキウメの『獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)』。
その若手の、公演に参加させてしてさせて(噛む)もらったこと、
もう彼らも若手じゃないんですけどもね、
実力者の劇団なんですけど、そこに参加したことを評価してもらったことも
大変嬉しく思っております。前川君の現場に出ますと必ず膨大な頭脳労働にも
付き合うということがお約束になっておりまして、
これまた大変なんですけども、大変なものをですね、
評価されたり、成功したりするとこれまた格別に嬉しいことでございます。
そういうものに参加させてくれた前川君、
イキウメの皆さん本当にありがとうございました。
もちろん、私の家族、娘と妻も毎日感謝しております。
 そしてですね、私の所属事務所、吉住モータースの吉住夫妻
ありがとうございました。私どもですね、
極小零細企業でやっておりますので皆さんの協力が必要なんですね。
これからもますます吉住モータースの方をよろしくお願い致します。

 え〜それから今回私よりも実は周囲の方が喜んでおりまして。
私の先輩達、後輩、同輩どもが、アイツが?アイツでも?
いつもふざけているアイツでも?ホントか嘘だろう?
まいっかオメデトウみたいな感じで喜んでくれておりますが、
これがまた嬉しいんですけども、そういった周囲に希望を与えたという意味でも、
今回の選考委員の皆さんは大変いい仕事をなされたと思います。
本当にありがとうございました。
まあ、おめでたい気分は今日限りにいたしまして、
これから今年も稽古場を大切に、
お芝居というものは必ずひと月くらい稽古というのが付きものでございますから、
稽古場をまず大切に、精進していきたいと思っております。
よろしくお願いいたします。

 最後に、実はこれが一番私、去年実感したんですけども、
例えば東京芸術劇場プレイハウス、あれくらいのスケールの大きさの小屋でも、
俺の顔芸は通用するんだなということでございました。
奇しくも今日1月21日はですね、3年前に亡くなった私の父の命日でございまして、
 「父さん、大きな顔をありがとう」
この言葉を持ちましてお礼の言葉にかえさせていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。
 (2014年1月21日 紀伊國屋ホールにて)

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今年もよろしくお願いいたします

あけましておめでとうございます。
執筆者の皆さま、ナレーターの皆さま
そして、これをご覧になっている読者の皆さま、
今年もよろしくお願いいたします。

Tokyo Copywriters’ Street は
予算0円のプロジェクトです。
皆さまのご好意とボランティア精神のおかげで
成立しています。

また1年、がんばりたいと思います。

事務局 中山佐知子

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武田義史のカンヌの誘惑-④

第4話 あなたはエキシビション派?スクリーニング派?セミナー派?
実務につなげるカンヌの過ごし方

2013年も年の瀬となり、残りわずかとなりました。
早いことにカンヌから半年が経ち、
日々の生活の中でカンヌのことを考える時間は減りつつありますが、
その時に出会った数多くの刺激的な作品の記憶は色褪せることなく、
思い出すたびに感動が胸に込み上げてきます。

そのような一生の糧となる作品や体験と出会い、
その経験を実践に活かすことを前提に会場での過ごし方について
お話したいと思います。

カンヌのフェスティバルプログラムを大別すると
「エキシビション」「スクリーンニング」「セミナー」
「ワークショップ」の4つに分けることができます。
そのうち「ワークショップ」は
最近のカンヌ運営が力を入れている“熱い”プログラムなのですが、
何せ英語の壁があるため、私は参加したことがないことから、
「エキシビション」「スクリーニング」「セミナー」に
フォーカスします。

「エキシビション」とは、
主にグラフィック系(Print, Print craft, Outdoor, Design)や
キャンペーン系(Promo, Direct, Media, PR)の
Shortlist以上のエントリーボードが
地下ホールに一堂に展示されることを指します。加えて、
複数台のPCが設置されたINTERACTIVE KIOSKコーナーでは
CyberやMobileといったデジタル系部門のエントリーを
チェックすることができます。

言葉にするとボリュームが伝わりにくいので、
カンヌサイトから今年のエントリー数のデータをお借りして
説明します。
Shortlistに選ばれる数は大凡、エントリー数の10%前後くらいで
あることから計算するとPromoで約300枚のボード、
Cyberなら約250のWebサイトや動画を観賞することになります。
しかも全て英語です。全てを網羅するとなると、
相当なエネルギーを消費することが想像できますよね。

「スクリーニング」とは、映像系(Film, Film Craft)及び
新ジャンル系(Titanium & Integrated, Branded content & Entertainment)のCMやエントリービデオの上映です。
会場の上層階に点在する“AUDI”と呼ばれる小シアターや
大シアター“DEBUSSY”で観賞することができます。
カンヌ運営が発行したプログラムのスキャン画像を
ご覧いただくと分かると思いますが、
全てのエントリー作品を観ることが可能ですが、
その数はFilmだけでも3,125本!
全部を朝の8時半から夜の8時まで観るとなると、
座っているだけで腰が痛くなりそうな数字ですね。
「そこまでは…」という方、安心してください、
フェスティバル後半の木、金曜日にはShortlistのみを上映しますので
こちらをおススメします。

上記2つはいわゆる“アワード”の範疇に入るものですが、
近年、カンヌ運営が最も力を入れているのが「セミナー」です。
セミナーとは、世界の名立たるエージェンシー、グローバル広告主、
最近目立つところではGoogle, facebook, Twitterといった
プラットフォーマー、MicrosoftやAdobeといったITサプライヤーが
主催するプレゼンテーションやトークセッションです。
今年は7日間合計で60コマが開催されました。
会場は主にパレ・デ・フェスティバルを代表する2つのシアター「GRAN AUDITORIUM」「DEBUSSY」。
人気のセミナーは開始時間の1時間前から行列ができるほどです。
こちらから2013年のハイライトが見ることができます↓
http://www.canneslions.com/attend/the_festival/programme_highlights/

ここからがポイントです。
これだけのプログラム満載のカンヌの全部を観ようとすると
身体がいくつあっても足りないことから、
「エキシビション」「スクリーニング」「セミナー」の
どれを軸足に据えるのか?が結構大切になってきます。
3つの全てを総花的に観て回って、カンヌ全体の雰囲気を味わい、
刺激を受けてモチベーションを高めることも有益ですが、
現業の企画やアイデアに活かすことを望むのであれば、
1つ軸を決めて徹底的に深堀りすることをおススメします。

「エキシビション」「スクリーニング」といったアワードに関して、
GP金銀銅、いわゆるメダリスト作品は
当然賞賛されるべき素晴らしい挑戦の痕跡であり、
今後の指針となるのは間違いないので、
それらを押さえるのは必須です。
しかし、自分の日常業務と照らし合わせると、フィルムなら
”表現が過激でクライアントや社会が受け入れてくれない”、
キャンペーン系であれば
”クライアントは商品の売りにつながる企画を求めているのに、
ゴールが売りではない”という作品が多く見受けられます。

そこで、一段下がってメダリストの数倍以上あるShortlistを見渡すと、
企画の”突き抜け度”はややメダリストには劣るものの、
自分の現業と同じような課題をもち、
見事なアイデアで結果を残した素晴らしい作品に
多く出会うことができます。
また、数多くの作品を観ることで、
万国共通の普遍的な”気持ちの動かすツボ””行動を促すツボ”が
いくつも見えてきます。Shortlistはまさに宝の山ですね。

では私の場合はどうだったのか?
時間配分で表すと、エキシビション6:スクリーニング2:セミナー2。
私の現業がデジタルキャンペーンや
プロモーションが中心ということもあり、
カンヌに渡航する前から「エキシビション」「スクリーニング」の
観賞に最も多くの時間を割くことを予定していたので
・会期中、毎日午前にPromo,Direct,Media,PR,Outodoorの
 全てのプレ ゼンボード=Shortlistと、MobileのShortlist全てを
 KIYOSK端末でチェック。
・木曜日、金曜日の終日、Titanium & Integrated,とBranded content &
 EntertainmentのShortlistを集中してスクリーニングし、 
 Filmは帰国後Webで確認するということで現地では断念。
・「セミナー」は1日2コマを目安にトークセッションではなく、
 スライドを使ったプレゼンテーションが中心のセミナーを選択し、
 残りはセミナーを中心に参加している英語堪能な友人から
 ヒアリング。

以上の作戦で、
自分が最も重視したいキャンペーン事例収集活動に注力しながらも、
セミナーから得られる業界の動向、潮流、予兆も掴むことも
友人の協力を得て概ねカバーすることができました。
(もちろん、私の得た事例情報もギブアンドテイクで仲間に共有しています。)

キャンペーン業務に従事している方や
ニュートラルなアイデアで課題解決を目指す方は
私と同じ道筋を辿っていただくのも良いですし、
CMを極めたい方は全エントリー作品を4,5日間、
試写室に終日籠って観るのも良いですし、
これからの広告ビジネスの新たな戦略やアイデアを練りたい方は
セミナー漬けになるのも良いでしょう。

現地に参加するからこそ可能な“大局から俯瞰すること”と”
トコトン深堀して本質を追究すること”のバランスを上手く図って、
カンヌを皆さんの血肉としていただければと思います。

次回は皆さんにぜひ紹介したいShortlist作品と
エキシビション観賞のコツをお話します!

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