藤本宗将 14年8月17日放送
ralphunden
山内溥と囲碁
任天堂の元社長・山内溥。
彼は世界的なゲーム会社・だったのにもかかわらず、
自分ではゲームをほとんどやらなかった。
唯一手を出したゲームが、囲碁ゲーム。大の囲碁好きだったからだ。
アマ六段だったが、実力はそれ以上とも言われていた。
2005年には囲碁界への貢献が認められ、
日本棋院の関西総本部長にも就任しているほどだ。
そんなわけで、囲碁ゲームに特別なこだわりを持っていた山内。
噂によれば、任天堂が囲碁ゲームを出す際は
コンピュータが山内と勝負して勝たなければならないという
暗黙のルールがあったという。
いわゆる「任天堂伝説」のひとつだから真相のほどはわからないが、
確かに任天堂は2008年になるまで
一度として囲碁ゲームを発売することがなかった。
ちなみにコンピュータ囲碁の実力は、
現在でもようやくアマ四段から六段程度にすぎないそうだ。
囲碁の盤面の広さは将棋・チェス・オセロと比較して広く、
打ち手にも感覚的な部分が多いことなどあって、
強いコンピュータプログラムをつくることはとても難しい。
将棋ではコンピュータがプロ棋士を次々と下しているのに対して、
囲碁における人間の優位はいまだに揺らいでいない。
つまり、当時アマ六段の山内に勝てというのは
かなりの「無茶ぶり」だったわけだ。
開発を担当する社員にとっては、
きっと彼の姿が強大なボスキャラに見えたに違いない。