藤本宗将 14年8月17日放送
山内溥と3D
「飛び出さへんのか?」
任天堂元社長の山内溥は3Dにこだわりつづけた。
部下に対してことあるごとに
「3Dはどうや?」と提案していたという。
花札・トランプメーカーの家業を継いでから
おもちゃメーカー、そしてゲームメーカーへと
任天堂を変貌させてきた山内。
どんな商品も必ず飽きられる宿命だとよく知っていた彼には、
驚きがもっとも大切だという信念があったのだ。
「常識的な発想では人々を納得させることはできない。
新製品に必要なのは、社会通念や習慣を
変えるようなものでなければならない。
そのためには非常識の発想が必要なんです」
非常識だからこそ、山内は3Dにトライしつづけた。
彼の言葉を補うとすれば、つまりこういうことだろう。
「常識の枠から飛び出さへんのか?」