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力石徹・夢の重さ 1R
矢吹丈を倒す。
矢吹丈を倒す。
その一念で力石徹は過酷な減量を重ねた。
ストーブを焚き、金盥で湯を沸かし、
サウナよりも熱い部屋で寝起きした。
逃げられないように外から鍵をかけさせた。
ウェルター級でデビュー。
13戦連続KOで勝利する天才だった。
一時リングを離れ、フェザー級で復帰して、
また5連続KO。
ウェルター級、63.50kgから66.68kg。
フェザー級、57.15kgから58.97kg。
力石徹より頭ひとつ小さい矢吹丈は、
バンタム級、53.34kgから55.34kgの階級。
丹下段平に言わせれば、
「力石くんは、ライト級の体つきだ」
ライト級61.23kgから63.50 kg。
適正体重60kg台の男が、
50kg台半ばまで減量しようとしていた。
矢吹丈を倒す前に、力石徹は、
自分の体重と戦わなければならなかった。