小林慎一 14年8月30日放送

140830-03

科学敗北の年

一般相対性理論を観測によって証明するために
アインシュタインと天文学者のフロイントリヒは太陽に着目した。

太陽の重力によって時空が曲げられ、
太陽の後ろにある星が、あたかも太陽のはしにあるように見えるはずだ。
そのことを証明するためには、
皆既日食が起こっている場所で、観測を行う必要があった。

果たして、1914年8月21日にクリミア半島で皆既日食が起こる。
フロイントリヒは観測隊を組織した。
7月19日、フロイントリヒはベルリンを出発し、
ロシアへと向かった。

しかし、彼は皆既日食の間、牢屋にいた。
1914年6月に、オーストリアの皇太子が暗殺され、
8月にドイツがロシアに戦線布告した。
ドイツ人のフロイントリヒは
スパイ容疑で逮捕されてしまったのだ。

第一次世界大戦がはじまっていた。

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