村山覚 16年7月16日放送
APOLLO 11 ウォルター・クロンカイト
1969年7月。
人類は「月」を見上げていた。
そこには2人の男とテレビ中継用のカメラを搭載した
月着陸船がいた。
アポロ11号。人類初の月面着陸という
かつてないミッションを遂行するためには
科学技術の発展だけではなく、大衆の支持も不可欠だった。
なぜなら、アポロ計画には莫大な国家予算が
注ぎこまれていたからだ。
アメリカの三大放送局のひとつCBSは
142台のカメラ、1000人近いスタッフを投入し、
32時間に及ぶ特別番組「MAN ON THE MOON」を制作。
名物キャスター、ウォルター・クロンカイトが
月面での一挙手一投足をリアルタイムで伝えた。
クロンカイトの座右の銘は「完璧に至る近道はない」。
関係者ひとり一人の想いの積み重ねが、
38万6200キロという距離をこえた。