藤本宗将 16年7月16日放送
APOLLO 11 アームストロング一族
16世紀スコットランドに
ジョニー・アームストロングという領主がいた。
時の王より強力とまでいわれ、
イングランドとの戦いで国を守った英雄だった。
しかしその存在を疎ましく思った王は
彼を騙して呼び出し、捕えてしまう。
わずかな手勢のジョニーに対し、待ち伏せの兵士は1万人。
このときジョニーが切った啖呵が歌として伝承されている。
王であり 君主の身分でありながら
嘘をついたな 卑怯者
生涯でおれが愛するのはただひとつ
それは正直な心根だ
時は流れて1972年。
生きのびた末裔のひとりが、
この地の自由市民として迎えられた。
ニール・アームストロング。
アポロ11号の船長にして、はじめて月に立った人類。
そのときの式典では、
400年前に施行されたまま廃止されていない
こんな法律の条文が紹介された。
「この地で見つけたすべてのアームストロングを絞首刑にせよ」
それでも王の追手から逃れ、アメリカへ渡り、
ついには月までたどりついた。
この一族は、名前の通りタフらしい。