小林慎一 16年7月17日放送
Bob Lord
暗号解読と数学篇
第二次世界大戦。
ドイツの暗号システム「エニグマ」は
1億5千万通りの百万倍の百万倍の百万倍
の設定が可能だった。
イギリスの暗号解読班は
古典学者と言語学者で占められていたが
数学の研究者が必要だと判断した。
コンピュータの原型である無限計算機の開発者
アラン・チューリングがイギリスの暗号解読班に参加した。
チューリングは、
エニグマの全設定をチェックする巨大な装置をつくった。
その装置は、回線がつねにカチカチと音を立てるため
爆弾と言われた。
戦況は一変した。
第二次世界大戦は物理学者の戦争と言われた。
しかし、
長い間、秘密のベールに隠されていた
チューリングのチームの存在が明らかになった今、
第二次世界大戦は数学者の戦争だったのだ。