小林慎一 16年7月17日放送
セミと素数篇
周期ゼミというセミがいる。
どんな世代でも正確に17年または13年で大量発生する。
周期年数が素数であることから素数ゼミとも呼ばれている。
最近では、2004年にニューヨークで大量発生し
日本でもたびたび報道された。
素数年発生の意義を最初に指摘したのはロイドとダイバスだ。
セミの天敵である寄生虫が2年のライフサイクルを持つなら
セミは2で割り切れるライフサイクルは避けたいに違いない。
3年の場合は3で割り切れるライフサイクルを避けようとするだろう。
セミが寄生虫との同時発生を避ける最良の策は
長くて、しかも素数のライフサイクルを持つことだ。
2年のライフサイクルをもつ寄生虫と
ジュウナナネンゼミが顔を合わすのは34年ごとになる。
そんなセミに寄生虫が対抗するには1年サイクルか、
17年サイクルになるしかない。
1年サイクルだとすると、
最初の16年は宿主になるセミはいない。
17年サイクルだとすると、
寄生虫とセミは272年間同時発生しないことになる。
天敵のいなくなったジュウナナネンゼミは、
2021年にまた大量発生する。