三島邦彦 17年10月28日放送
よりよき世界の破片たち オスカー・ニーマイヤー
ブラジルの高級住宅街。
広い庭で空想のスケッチを
楽しんでいた少年はやがて、
104歳まで現役を貫いた伝説の建築家となった。
オスカー・ニーマイヤー。
若き日に現代建築の巨匠ル・コルビジェとともに設計した
国連本部ビルをはじめ、
首都ブラジリアの都市計画など、
その100年を超える人生、
80年を超える建築人生は、
最後まで情熱が絶えることはなかった。
『ニーマイヤー 104歳の最終講義』
という本で、彼は人生についてこう語る。
人生は一瞬だ。
それゆえに私たちは学ばなければならず、また、
礼儀正しくそこを通過しなければならない。
誰よりも学び、誰よりも礼儀正しかった建築家。
そして、その生涯を終えるまで
空想のスケッチを楽しむ心を
忘れなかった人だった。