田中真輝 18年1月21日放送
未知の発見
歴史上、科学革命の転機となった探検がある。
それは、アメリカ大陸の発見。
中世の地図に、余白はない。
つまり中世には、自分たちが知っていることが
すべてだったのだ。
コロンブスは、未知の大陸を発見したとき、
その地をインドだと信じ、そこで出会った人々を
「インディアン」と呼んだ。
そして彼は死ぬまでそこをインドだと信じていた。
その後、何度かのアメリカ大陸探検に参加した
アメリゴ・ヴェスプッチは、その地をインド
ではない「未知の大陸である」と初めて記した。
そして史上初の「空白のある地図」が発売される。
これによって、ヨーロッパ人は「未知」という
概念に目を向け、それを征服したいという欲望と
ともに、猛烈に新しい知識を求め始めた。
探検による「未知」の発見が、近代科学革命を
もたらしたのである。