田中真輝 18年1月21日放送
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探検という生き方
「冒険とは生きて帰ること」
日本を代表する偉大な探検家、植村直己の言葉である。
彼は不屈の精神で偉業を成し遂げ続けた。
常に自分の夢に誠実であり続けた植村が、
マッキンリー単独登山で帰らぬ人となる1年前、
野外学校で子供達に語った言葉がある。
「僕らが子供のころ、眼に映る世界は新鮮で、
すべてが新しかった。やりたいことはなんでもできた。
ところが年をとってくると疲れてくる。
世界の美しさを見ようとしなくなってしまう。
でも、僕はいつまでも子供の心を失わずに
この世を生きようと思う。
いいかい、君たちはやろうと思えばなんでもできるんだよ」
彼にとって探検とは、世界の美しさを
常に感じながら生きるための、代替不可能な生き方
だったのだと思う。