森由里佳 14年8月9日放送
走る④ 坂井義則
1945年、8月。
原爆が落ちた1時間半後のヒロシマで生まれた、坂井義則。
東京オリンピックで聖火リレーの最終ランナーに選ばれ、
大観衆の前で聖火を灯した。
日本が、被爆国という歴史を背負ったその日に生まれた坂井。
その彼が灯した、平和の祭典の幕開けを告げる炎は、
戦災からの復興を告げる、力強い赤だった。
坂井は、自分が選ばれた理由についてこう語る。
無名の青年に、日本中の思いを、未来の平和を託したんだと思う。
オリンピックが再びこの国に戻ってくるまで、あと6年。
その聖火の色は、平和を守り続ける決意の赤に違いない。