中村直史 16年1月23日放送
土の話 四狭間かなた
「一カ所焼き」と呼ばれる焼き物がある。
提唱するのは、
栃木県佐野市の陶芸家、
四狭間かなた(しさま かなた)。
なぜ「一カ所焼き」なのか。
材料を、とくに陶芸に適したわけでもない、
自分の住む土地の一カ所だけで調達する。
土も、石も、薪も、
近所の名もなき山や川で見つける。
釜も煙突もそのへんの土でつくった。
四狭間さんは言う。
自分の足で歩きながら、目の前にあらわれる
さまざまな自然の素材を、
感謝しつつ手を使って工夫し、焼いて、遊び倒すんです。
「つくる」という行為は、原始的なほど、
おもしろいのかもしれない。