佐藤延夫 16年7月2日放送
RV1864
追悼モハメド・アリ
男は、栄光を捨てる。
ローマ・オリンピックで手にいれた金メダルは、
レストランで人種差別を受けたあと、オハイオ川に放り投げた。
そんな逸話が残っている。
ベトナム戦争で徴兵を拒んだときには、
世界ヘビー級のタイトルだけでなく、
ボクサーとしてのライセンスも捨てる羽目になった。
それまで得た信用も、収入源も失った。
しかし、彼には信仰があった。信念があった。
反戦集会でマイクを握り、
戦争の愚かさと人間の平等を学生たちに説いてまわった。
捨てた栄光の代わりに、違うものを見つけた。
「想像力のない奴に、翼は持てない。」
彼の言葉が、心に刺さる。