大友美有紀 16年7月3日放送
「宇宙飛行士という仕事」異色の宇宙飛行士
1961年、ソ連のガガーリンが地球を飛び出してから、
現在まで、宇宙飛行の経験者は550人ほどしかいない。
今の宇宙での仕事は、ほとんどが国際宇宙ステーションでの
ミッション。宇宙飛行経験者の数も絞られている。
スペースシャトルが数多く飛び立っていた頃は、
様々なタイプの宇宙飛行士がいた。
なかでも異色だったのは、サウジアラビアの王子、
サルタン・アル・サウド。アラブ世界、初の宇宙飛行士だ。
1985年、ディスカバリー号に搭乗し、アラブの衛星放出を担当した。
イスラム教の敬虔な信徒で、宇宙にコーランを持参し、祈りを捧げた。
世界各国から集まったクルーとともに搭乗していた。
最初の1日か2日は、みんなが自分の国を指していた。
3日目、4日目は、それぞれ自分の大陸を指した。
5日目、私たちの目に映っているのは、たった1つの地球だった。
王子の発言から、認識の地平が徐々に、
確実に広がっていく様子が伝わる。
宇宙は人の意識を変える。