私の脚本術④「横浜聡子」
すぐ理解できるものなんて最悪
映画「ウルトラミラクルラブストーリー」の
脚本家横浜聡子は理屈っぽいのが大嫌いだ。
観客の予想を徹底的に裏切るために、
テーマもあらすじも一切決めない。
結末を自分にもわからなくすることで、
脳みそで考えすぎる弊害を糾弾する。
彼女は世界に一発喰らわせたい。
頭、固くない?
と。
私の脚本術④「横浜聡子」
すぐ理解できるものなんて最悪
映画「ウルトラミラクルラブストーリー」の
脚本家横浜聡子は理屈っぽいのが大嫌いだ。
観客の予想を徹底的に裏切るために、
テーマもあらすじも一切決めない。
結末を自分にもわからなくすることで、
脳みそで考えすぎる弊害を糾弾する。
彼女は世界に一発喰らわせたい。
頭、固くない?
と。
stevendepolo
私の脚本術⑤「筧昌也」
もしも人生にロスタイムがあったら?
しかもサッカーのように中継されたら?
もしも缶詰に人間が入ってたら?
しかも絶世の美女だったら?
ドラマ「ロス:タイム:ライフ」「美女缶」
で知られる筧昌也の脚本は、
「もしも」と「しかも」
でできている。
もしも設定が今までになく斬新だったら?
しかも遊び心がひとヒネリ加えられてたら?
彼の物語が色あせないのには
ちゃんと理由がある。
Infradept
私の脚本術⑥「園子温」
若い頃は食べるためにカルト教団や過激派に入った。
ハリウッドのプロデューサーに手ぶらで会いに行き、
口からでまかせで物語をでっち上げた。
「愛のむきだし」の脚本家園子温の人生は、
映画と同じく型破りだ。
「しちゃいかん」ということはない
と思うんですよ、映画に。
彼は人と同じであることを徹底的に拒否する。
コンビニに行って帰ってくるだけの生活をしてるから、
コンビニに行くだけの映画しか作れない。
日本は平和すぎるから、映画がどんどん大人しくなる。
恥や失敗こそ表現にとって最高の肥やし。
彼は映画という武器で戦う、
世界一平和なテロリストだ。
Neko1998
私の脚本術⑦「福田雄一」
リアリティって言葉が大嫌い
ドラマ「33分探偵」の脚本家福田雄一は言う。
起こるはずのない事件ばかり
ニュースや新聞を騒がす時代。
リアリティって一体何なんだ。
人間のさまざまな面を理解しなければ、
愛されるキャラクターは作れない。
完璧な人なんてどこにもいない。
カッコいいだけのヤツはカッコ悪い。
彼が描く登場人物たちは、
誰よりもリアリティに溢れている。
mhaithaca
私の脚本術⑧「行定勲」
いい脚本とは、ほどほどにダメな脚本のこと。
映画「世界の中心で、愛をさけぶ」の監督・脚本家、
行定勲は言う。
完璧な脚本からはそれ以上の映画は生まれない。
議論の余地を敢えて残すことで
自分がもっと面白くしてやる
とスタッフをヤル気にさせる。
岩井俊二という偉大な先輩の影に隠れ、
目立たなかったことが功を奏した。
今でも、
自分は何者でもない。
俺の映画なんか誰も何とも思ってない
と思う。だから決して偉ぶらないし、
自分の考えを押しつけない。
いつもの道がある日突然大きく逸れるように、
優秀な職人たちの手で物語を脱線させて欲しい。
彼の映画をいちばん楽しみにしてるのは、
きっと彼自身だ。
wolfango
楽園的フライトプラン①「機上の空論」
電車の時刻表から
犯人のトリックを暴き出す男といえば、
西村京太郎の小説でおなじみ十津川警部。
では、飛行機の時刻表から
極上のトリップを導き出す男といえば?
答はマンボミュージシャン、パラダイス山元。
1つの航空会社だけを使って、
1日に最高何回飛べるか?
子ども時代に電車の時刻表で夢見たことを、
大人になった彼は飛行機でやってみた。
羽田、福岡、千歳、高知、また福岡…。
観光もグルメも一切ナシ。
空港に着くやいなや再びゲートに引き返し、
乗ってきた飛行機に乗り込む。
その間わずか30分。
かくして彼は1日11回のフライトに成功。
机上の空論を、機上で実践した。
Aero Icarus
楽園的フライトプラン②「パスポートのいる名古屋」
名古屋へパスポートを持っていく男、
ミュージシャンパラダイス山元。
新幹線じゃつまらない。直行便じゃ味気ない。
「のぞみ」ならわずか1時間40分の距離を、
羽田や成田からわざわざどこかを経由して向かう。
それが飛行機をこよなく愛するパラダイス・ルール。
中でも彼が開発した最もエキサイティングなルートは、
羽田 – フランクフルト – 名古屋
のドイツ経由。
最新鋭機ボーイング787のフルフラットシートと、
ルフトハンザ航空のファーストクラスで行く名古屋。
このルート、時間とお金のムダと思うか。
それとも心のゆとりと思うか。
あなたはどちらですか?
楽園的フライトプラン③「空飛ぶシェフ」
これまでに地球40周分のフライトを経験した、
ミュージシャンパラダイス山元。
彼が理想の機内食に出会ったのは、
北京とウィーンを結ぶ空の上だった。
機内食は通常、地上で調理を終えたものが
機内で温め直されて出てくる。
しかしオーストリア航空では
フライングシェフ
と呼ばれる専任のシェフが、
調理の仕上げと盛りつけを行う。
すべての料理ができたてのホカホカ。
さらに食後には専門のコーヒーハウスが
10種類のメニューからお気に入りの一杯を
その場で淹れてくれる。
雲の上で飲むアイスウインナコーヒーは、
まさに天にも昇る美味しさだったとか。
きんちゃん
楽園的フライトプラン④「日本公認サンタ」
近ごろのサンタは
トナカイよりヒコーキでやってくる。
16年前、ミュージシャンのパラダイス山元は
国際サンタクロース協会から
日本公認サンタに選ばれた。
条件は結婚して子どもがいること。
体重が120kgを超えていること。
しかし最後のひとつは難関だった。
国際会議が開かれるデンマークまで
サンタの衣装で来ること
家から会場まで24時間、機内はもちろん、
空港や電車でもサンタでいなければならない。
しかしコペンハーゲンへの直行便は高い。
彼はタイ経由の南半球ルートで向かった。
南国のサンタはラクじゃない。
しかも季節は夏。どんなに暑くても、
Ho!Ho!Ho!
と涼しい顔で笑う彼にとって、
ツーショットをせがむ子供たちの笑顔は、
季節外れのクリスマスプレゼントだった。
絵と服と男たち①「ナポレオンの襟」
肖像画は実物の3割増だという。
3割どころか9割増なのがルイ・ダヴィッドの描いた
『アルプス越えのナポレオン』。
似ていなくてもかまわない
偉大さを伝えろ
ロバは白毛の馬に。
防寒着は金の刺繍が施された紺の軍服と赤いマントに。
ナポレオンの命令通り、
ダヴィッドはどこにでもいる普通の男を、
稀代の英雄に生まれ変わらせた。
中でも素晴らしいのが上着の襟。
あごが隠れるほど高い上襟と幅の広い下襟は
「ナポレオンカラー」と呼ばれた。
それから150年後のアメリカで
似たような襟のシャツを着た男が
ロックンロールに革命を起こした。
彼の名はエルヴィス・プレスリー。
エルヴィスがナポレオンを真似たかはわからない。
しかし、キングが襟にこだわるのは世の常らしい。
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