中村直史

三島邦彦 14年12月28日放送

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さようなら2014 エボラ出血熱と闘う人々

アメリカのタイムズ誌が選ぶパーソンオブザイヤー。
その年最も世界に影響を与えた人物を選ぶこの企画が、
2014年に選んだのは、
The Ebola Fighters。
「エボラ出血熱と闘う人々」だった。

西アフリカからの世界的な大流行の兆しに、
国際社会が恐怖した2014年。
その中で、感染の拡大防止に取り組む人々がいた。

その一人、看護助手サロメ・カーワーさんは
国境なき医師団の一員として
日々患者の入浴や食事の手伝いをしている。
両親をエボラで失い、自らもエボラに感染しながら生き抜いた彼女。
国境なき医師団に加わった理由をこう語る。

 神様が私にもう一度、他の人を助けるチャンスをくれた気がするんです。

人類を救おうとする勇気。献身。
彼らのかけがえのない努力のおかげで
わたしたちは新しい年を迎えることができる。

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三島邦彦 14年12月28日放送

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The_Old_Grey_Wolf
さようなら2014 ディディエ・ドログバ

その瞬間、テレビの前にいた誰もが、スタジアムの空気の変化を感じた。

2014年6月14日。
ワールドカップ日本対コートジボワール。
前半に日本が1点を先制して迎えた後半、ひとりの選手が途中出場した。
ディディエ・ドログバ。
かつて、テレビカメラに向かって語りかけたことがきっかけで、
激しかった内戦が停止したという伝説の男。
ドログバはその時のことをこう語る。

 サッカーは宗教のようなもの。その影響力を母国の未来のために活用したまで。

母国では大統領以上の影響力を持つ
その男の背中に、
多くの人は神を見た。

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三島邦彦 14年12月28日放送

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keith Allison
さようなら2014 デレク・ジーター

ニューヨークの貴公子と呼ばれた野球選手、デレク・ジーター。
今年、その華やかな野球人生に幕を閉じた。
宇宙飛行士が宇宙からメッセージを贈るなど、
この上なく豪華な引退セレモニー。
そのスピーチで、彼はこう語った。

  思うに私は世界でもっともすばらしい仕事に就いてきました。
  たった一つしかないニューヨークヤンキースの遊撃手になる
  チャンスに恵まれたのです。

どんな重圧をも楽しめる心。
それが彼の何よりの武器だった。

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三國菜恵 14年12月28日放送

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kenmat
さようなら2014 今年の漢字

年末に発表される『今年の漢字』。
2014年の漢字は、税金の「税」だった。
実はこの文字、全国の一般公募から決められている。

ちなみに今年の第2位には
「熱」という字がノミネート。
デング熱、エボラ出血熱の流行。
ソチ五輪や錦織選手の熱戦。
夏の甲子園の延長50回の熱戦。

言われてみると、確かに熱い一年。
今年も残り数日。こころとからだをあたたかに。

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三國菜恵 14年12月28日放送

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Lisandro M. Enrique
さようなら2014 高倉健

映画「あなたへ」の中で共演した
大滝秀治と高倉健。

高倉は晩年、大滝からもらったある言葉を胸に
カメラの前に立っていた。
それは、二人が文通をしていた便せんに
したためられていた言葉。

 僕にとって一つの仕事は、いつも一つの事件です

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三國菜恵 14年12月28日放送

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Rs1421
さようなら2014 岩崎俊一

今年の終わりのありがとう、
お歳暮で伝える人もきっと多いことだろう。

西武百貨店などの広告コピーで知られる
コピーライター・岩崎俊一。
こんな言葉をのこしている。

 うまいことを言う人より、
 うまいものをくれる人を、
 信じなさい。

「おいしいね」を分けてくれる人をたいせつに、
来年も、よいお年を。

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中村直史 14年11月23日放送

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ぱちょぴ
鉄川与助と教会 その1

その若い大工は、西洋建築のことなど何も知らなかった。
ただ、一人のフランス人神父との出会いが彼の運命を変える。
長崎の小さな島に生まれた大工、鉄川与助(てつかわ よすけ)。

生涯仏教徒であったにもかかわらず、
フランス人のド・ロ神父から教わった教会建築に没頭し、
長崎を中心に、30を超える美しい教会を建立した。
それはまだ、日本に信仰の自由が認められて間もない頃の話。
彼が立てた教会の数々は、世界を驚かせた。

長崎の教会群は、世界遺産に登録されようとしている。

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中村直史 14年11月23日放送

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鉄川与助と教会

時は明治時代。
やっと信仰の自由が認められた日本で、
数々の教会を建立した長崎県五島列島出身の大工、鉄川与助。

ほとんどの教会は、貧しい信徒たちが出し合った資金で建てられたもの。
質素なものが多い。
けれど、彼がつくった教会には、華やかさがある。
自由に祈ることを許された喜びにみちているかのようだ。
彼のつくった教会にはどれひとつ同じものがない。
木造、コンクリート、石造り、バロック風、ロマネスク風。
信徒たちの祈る喜びが乗り移ったように、
鉄川与助の「つくる喜び」もあふれている。

教会は、100年の時をこえ、世界遺産に登録されようとしている。

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三島邦彦 14年11月23日放送

141123-03

藤野英人と投資

1602年、オランダで
世界初の株式会社「東インド会社」が生まれた。
多くの人々の株式投資によってリスクを分散するこの仕組みは、
今も会社の基本的な形となっている。

しかし、
誕生から400年以上がたった今も、
投資と自分は縁がないと考える人は多い。

そんな世の中に対して、
投資ファンドを経営する藤野英人(ふじのひでと)は、
すべての人は「投資家」なのだと言う。
藤野は、投資をこう定義する。

投資とは、いまこの瞬間にエネルギーを投入して、未来からのお返しをいただくこと

お金をかけなくても、
時間をかければそれは投資だと彼は言う。

本を読むことも、
友人と会話をすることも、
そして、いま、ラジオを聴いていることも。

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三島邦彦 14年11月23日放送

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Francisco Anzola
ナラナヤ・ムルティとIT

インドでIT会社を経営するナラナヤ・ムルティには夢がある。

それは世界の格差をなくすこと。

いまだにカースト制度が残るインド。
貧困にあえぐアフリカの国々。

そんな世界の格差をなくすため、
まず教育の格差をなくしたい。
これは、彼の言葉。

教育格差をなくすためには、僕たちネット企業が頑張らなければいけない。
世界中に土管を埋めてケーブルを引き、いたるところにサーバーを置く。
ものすごい低価格でインターネットが見られるようにする。
アフリカで学校をつくるよりも、インターネットの学校をつくるほうが早いんだ。

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