Ako
美空ひばりの使命
美空ひばりは、幼いころから全国各地をめぐり、人々の前で歌った。
10歳のときのこと。
四国巡業中に、乗っていたバスが崖下へ転落する。
頭と胸を強く打ち、左手首からはひどい出血。
バスの中ら助け出されたときは仮死状態だったが、
奇跡的に回復し、実家の横浜へと戻った。
事故に驚いたのが、ひばりの父。
もともとひばりの芸能活動に反対していたこともあり、
今後一切、歌手活動をさせない、と迫った。
おそろしい父を前に、わずか10歳の少女は決して首をたてにふらなかった。
泣きながら、ただただ、歌手をやめたくない、と言いつづけた。
私の人生のテーマはそのとき決まりました。
私は歌い手になるために生まれてきたんだ。
だから、神様が生命を救ってくれたんだって。
その日から42年間。
美空ひばりは、自分の使命を一瞬たりとも疑わなかったように
命を燃やしながら歌いつづけた。
今日、6月24日。
亡くなってから23年がたつ今も、
美空ひばりはたくさんの人の心の中で歌いつづけている。