もう会えないひと。 森田一義
今年は赤塚不二夫の生誕80周年。
「生誕何年」という文字は、その人がもうこの世にいないことを色濃くする。
赤塚に見いだされ、芸人となった
森田一義ことタモリ。
人生で一番最初に読んだ弔辞は、
よりにもよって、赤塚に向けてだった。
森田は仏壇の前に立ち、はじめてお礼を言った。
言う機会はいくらでもあったけれど、
こんな気持ちがいつも邪魔をしていた。
肉親以上の存在にお礼を言うのは気がひける
そのことをふと人に漏らしたら、
赤塚も同じことを言っていたと知らされた。