薄組・石橋涼子

0歳7カ月の育児の話し。

この頃になると、ずりばいを完全にマスターしていました。
兄と比べて早い早い。
やはり体重の差が…(しつこいですね)。

そしてお座りもだいぶ安定してきました。
離乳食を食べさせたりお風呂で体を流すのが
ラクになり、ありがたし。

指先もどんどん器用になり、
おかあさんの髪の毛をひっぱったり、
くちびるやら肉やらをつまんできます。
とてもかわいいですが、
そこそこ痛いです。だいぶ痛いです…。

じろさんは「ぺしぺし」も好きなようです。
おかあさんが抱っこすると肩や首元をぺしぺししてきます。
はらばいになってフローリングをぺしぺし。
洗濯物の山をぺしぺし。
挙句の果てには、実家のマルチーズをぺしぺし。
犬も突然の襲撃に驚いてフリーズし何事も無かったのですが、
噛まれたりしたらと考えると、かあさんがフリーズしそうです。
本人はというと、すごく真剣な表情でぺしぺししています。
ぺしぺし叩くことで物の本質を捉えようとしているのでしょうか。
その姿は哲学的ですらあります。
ぺしぺしぺしぺしぺしぺし。
痛いっつーの。

そういえば次男ちゃっかり説を唱えている私ですが、
この頃、アグレッシブ且つちゃっかりと
長男のおもちゃを奪うようになりました。
大人が「じろさんのおもちゃ(赤ちゃん用・新品)でしゅよー」と
懐柔しようとしてもふり向きもしません。
とにかく、お兄ちゃんの手の中にあるおもちゃに夢中なのです。
そして不器用な長男。
つい、赤ちゃんに対して力いっぱいぐいーっとやってしまったり、
大声を上げたりしてしまうのですね。
そしておかあさんに怒られちゃうのですね。

その隙に、次男はおもちゃをちゃっかりゲットしちゃうのですね。

「赤ちゃんをぶっちゃダメでしょ」
と私に怒られて号泣しているすーさん越しに
優雅に兄のおもちゃをがじがじしているじろさんを見ると
なんだかなあ…という気分になります。
ずるいよなあ、次男。と。

が、がんばれ、すーさん!!

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石橋涼子 15年3月15日放送

150315-02

旅のはなし メンデルスゾーンの旅する人生

作曲家のメンデルスゾーンは、
19世紀初頭、ドイツの裕福な家に生まれた。

幼いころから才能を開花させ
モーツァルトの再来と言われた。
20歳になると、実家の援助の元、旅に出る。
イングランド、ウィーン、フィレンツェ、ミラノ。
行く先々で刺激を受け、多くの名曲をつくった。

すべてに恵まれているように見えるメンデルスゾーンだが、
ひとつだけ、大きな不安を抱えていた。
彼の一族は突然死する人間が、とても多いのだ。

彼はこんな言葉を残している。

 旅を思い出すことは、人生を二度楽しむことだ。

彼は、38年という短い生涯の割に
多くの作品が残っている。
一日をいかに濃密に生きるかに賭けていたからではないだろうか。

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石橋涼子 15年3月15日放送

150315-04
Dakiny
旅のはなし 星野佳路がすすめる旅

日本のある地方では、十五夜に綱引きをする。
ある地方では、ぜんざいを注文するとかき氷が出てくるし、
ある地方では、こどもたちが近所をねり歩いてお菓子をもらうのは
ハロウィンではなく七夕のイベントだ。

たとえ日本で暮らしていても、知らない日本はたくさんある。

星野リゾート社長の星野佳路(よしはる)は言う。

 日本の文化を知るには、
 旅をするのが最も味のある方法です。

ガイドブックと同じ景色を観るだけではつまらない。
からだ全部をつかって、旅しませんか。

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0歳6カ月の育児の話し。

 こどもを育てているおかあさんは、
どれくらいのペースで病院に通っているのでしょうか。
私は育休中、週3ペースで病院に通っておりました。

これが多いのか少ないのかわかりません。
ただ、私は出産するまで病院というものに
まったくお世話になったことのない人だったので、
待合室の雰囲気とか驚異の待ち時間とか
未だに慣れることができず、大変でした…。

大変と言いつつ、なぜ通院するかというと、
まず、3カ月頃から予防接種が始まります。
四種混合(すーさんは三種だったけどいつの間にか増えた)やら、
肺炎球菌やら、えーっと、あといろいろ(適当)と、
3カ月検診、6カ月検診。
これらのマスト通院に加えて、
じろさんは肌が弱いので皮膚科に毎週行きます。
その合い間に風邪をひいたり、胃腸炎をやらかしたり、
思い出したようにすーさん(長男)が体調を崩したり
保育園で何らかの菌をもらって来たりします。

この頃、じろさんは胃腸炎らしきものに感染しました。

とにかく吐くのです。
ただでさえ体重少なめなのに…。

というわけでせっせと通院するのですが。

町の診療所では、0歳の赤ちゃんにできることってあまり無いのです。
刺激の少ない薬(効果も少ない)を処方してもらうくらいで。
あとはおかあさんがおうちで24時間体制の看護をするのみ。
せっせとミルクつくって、吐いて泣くのをあやして(ゲロまみれ親子)、
隙を見て汚物を処理して、たまにうとうとして。
でもなかなか治らない。

するとどうなるかと言うと、
大きな病院に紹介状を書いてくれるわけです。

大きな病院は、ご近所の診療所よりも離れた場所にあるわけで。
弱ってる赤子に加えてミルクやらオムツやらを抱えて
電車移動するわけです(ペーパードライバーなもので)。
じろさんはそこでアレルギーの疑いを指摘されました。
で、小児アレルギー科のあるもっと大きな病院の受診を勧められます。

またもや紹介状!

ちょっと回復してきた赤子とミルクとオムツを抱えて
電車とバスを乗り継ぐこと2時間。
診察とアレルギー検査をしてもらって、
病院の休憩室でミルクを飲ませたりオムツを替えたりして
またもや2時間かけて帰宅です。

かあさんが死にそう!
でも死んでるヒマありません!!

結局、2週間くらいミルクをちょっと飲んでは吐く
をくり返しながらすこしずつすこしずつ良くなりました。

もうね、夜中に吐きまくり泣きまくる赤子を抱きながら
まんじりともせず夜明けを待って病院に駆け込んで、
特になにをするでもなく帰宅。という徒労感。
いや、お医者さんは悪くないんです。
子の病気に対する母の無力感というか。
とてつもない恐怖というか。

赤ちゃんかわいい!と思いつつ、でも早く大きくなれ!と思います。

そしてじろさんは卵と小麦のアレルギーであることが判明。
お前もか!じろ!!
(兄は卵と牛乳アレルギーで2歳まで除去食)

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0歳5カ月の育児の話し。

寝がえりがどんどんなめらかになっていきます。
はいはいやずりばいはまだしません。
つかまりだちもおすわりもまだです。

で、今月は寝がえりマスター期です。

最初の頃は下半身だけをねじってねじってもうちょい…
というところで燃え尽きてしまったり。
なんとか寝返ったところでお兄ちゃん(2歳11カ月)に
「じろくんがひっくりかえっちゃうよー!」
と戻されてしまったり。
お兄ちゃんは親切のつもりなのです。はい。
そんな感じで鍛錬を積みながら
日に日になめらかに寝がえるようになります。成長!

季節は初夏。
夜は暑い。
寝かしつけをしていると、じろさんは寝苦しそうに
一回転、二回転、で、ふとんから床に落ちます。
明らかに、意思を持って、フローリング目指して転がるのです。
フローリングひんやりして気持ちいいよねー。
でもかあさんも5カ月の赤子を床に寝かせるわけにはいかないのだよ。
世間体と言うものもあるしな!
というわけでよいしょと戻しても、
くるん、くるん、どすん。
すぐ転がる。
もう軽やか過ぎて、じろさんを止められません。
ホント成長早いな!

敷布団一枚分の段差とはいえ、
寝ながら落ちるとそこそこ痛いはず。
案の定、夜中になると、くるん、くるん、どすん、ぴぎゃー。
回転後に泣きが加わります。

ここで兄弟七不思議!
片方が泣くと、もう片方も「泣かなくちゃ!」と思うらしいのです。
じろさんが泣くと、すーさんも泣く!(逆もまた然り)
なぜ?!
わざわざ起きて泣くな!!

右手に号泣0歳。
左手に号泣2歳。

もう地獄です。

まあでも少しあやして落ち着けば
右手にじろさん左手にすーさんを腕枕して眠るわけで。
なかなか良い感じです。
逆ハーレムって感じです。
モテモテ天国です。

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0歳3カ月の育児の事件。

話しが前後します。
すみません。

それ以上に、今回は上からも下からも出る話しです。
食事中の方や上品な話が好きなみなさま、すみません。
先に謝りますので、この先は自己責任でお読みください。

さて。
じろさん3カ月のある日、
近所の広場でビール祭りがありまして、
そこに夫の友人夫妻が遊びに来てくれました。
二人は新婚ほやほや。
いずれはこどもも…とのことで
子育て生活に興味しんしんです。

これは、先輩ママとして
子育てへの夢と希望を抱いて帰宅していただかねば!
願わくばサッカーチームつくれるくらい産みたいわ
と思ってもらえるくらいに!

まあそこまで気負っていたわけではありませんが、
好天に恵まれた野外でのビール祭り。
楽しくないわけがありません。
是非とも良い気分で帰って頂きたいなと。
(時差がありますが、当時は日差しの気持ちいい6月です)

普段は厳しく節制しているすーさん(2歳11カ月)への
ジュースやお菓子もお祭りということで解禁です。
食が細いじろさんも、お日様にあたって気持ちいいのか
いつもよりミルクをしっかり飲んでくれました。
そして当然のように大人たちはビールを飲みつつ
なれそめやら近況やらを聞いたりしゃべったり。

まったくもって幸せなひとときでした。

が。
ん?ちょっと臭う?

じろさんから香ばしいいつものニオイがします。
かあさんも慣れたものなので、
ビニールシートにブランケットを敷いて
どれどれ、とロンパースをまくりあげると…。

「ありゃー!」

茶色いあれがオムツから豪快にハミーしてました。
もう、背中を通り越して首のちかくまで。
さらに下着を超えて洋服まで染み出してる!
かつてない規模のハミー事件発生です!
(いつもより食欲があったのが敗因かっ!?)

「うわわわいっぱいでたねー」
とか言いながら、まあ、こういうこともあるよね、と
新婚夫婦に余裕を見せる私でしたが、
次の瞬間に崩壊しました。

いきなりすーさんが吐いたのです。
マーライオンのように、直立不動で。

「あぎゃー!」

今度はさすがに叫びました。
旅行で浮かれてお菓子を食べ過ぎた時も
大好きな特急に乗って駅弁を食べた時も、やっぱり吐いたので、
“イベントで浮かれて食べ過ぎて吐くすーさん”
には慣れたものでしたが、
このタイミングでやられるとは思いませんでした。
いや、いつも不意打ちだけど。
左手に茶色まみれのじろさん、
右手にマーライオンのすーさんという状態は
かあさんの手に余ります。
ホント、びっくりした。

ふたりの洋服とビニールシートは早々にあきらめて
ゴミ袋に入れました。
新婚夫婦は我々以上に驚いていたというか、
もう完璧にフリーズしてましたが、
ここまでやらかしてもなお、なんとか取り繕おうと
「ま、まあ、こういうこともあるよ☆」
と笑顔で言ってみました。

二人が「子育てって大変」という思いを
前向きに抱いてくれたらいいな!と願います。

ちなみに家が近かったこともあり
(着替えを持ってくることを失念していたこともあり)
すーさんとじろさんはオムツ一丁で帰宅しました。
暖かい日でよかったです。

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0歳4カ月の育児の話し。

じろさん(仮名)4カ月です。

同じ男の子でもすーさん(長男、2歳11カ月)とは
まったく違う個性を持っているものですね。
そりゃそうだって話しですが。

正直、妊娠中、お医者の先生に
「お、ついてますねー(アレが)」と言われた時、
「またか!」と思いました。

もう、そっちの人はいますから!と。

でもまあ、生んでみると
じろさんにはじろさんの個性があって
やっぱり毎日が新鮮で面白くて大変で、
赤ちゃんってすごいなあと思う日々です。

で、本日はというと。
そんなすーさんとじろさんの違いです。

まず、ぱっと見た印象が違うんですよね。
似てない。兄弟なのに。
ついでに母にも似てない。両方。
顔の話しですが、
すーさんは二重で顔のパーツが大きくて
いわゆる「にぎやかな顔」ですが
じろさんは一重であっさり気味、
色も白くて和風美少年です。

そして顔以上に違うのが、体重。
4カ月になった日の体重が記録に残っているのですが。
じゃじゃーん。

すーさん : 7930グラム
じろさん : 6270グラム

何この違い!
おかあさん、メモ間違えたかと思って何度も見直しましたよ!
すーさんは3カ月検診で話題になるほどの
美少年でぶでしたが、
じろさん、差をつけられすぎです!!
ミルク飲め!

そうそう、じろさんはミルクっ子なのです。
そこは二人の違いというか、私の変化なのですが。
すーさんの時は洋服から染み出すほど潤沢だった
おっぱいだったのが、
じろさんの時は産後1カ月ほどで枯渇。
妊娠中はぱんぱんに張っていたので
今回も出るなーと期待していたのに
評判倒れもいいところです。
私の中で私のおっぱい株大暴落です。
と、おっぱいに文句言ったところで出ないものは出ないので、
じろさんは2カ月で完全卒乳でした。

そんな体格の違いに伴って、成長速度も違うようで。
すーさんは4カ月の時点でうつぶせ遊びをさせても
ただただ泣くばかりでしたが(腹がじゃまで)、
じろさんは勝手に寝がえりをうちました。
そりゃもう軽やかに。

ある日、私がサラダをつくっていた時のことです。
ザルでレタスを水切りしたあと、ふと、じろさんを見ると
「ひっくりかえってるー!!」
思わず声が出ました。
本人は「ん?」って感じでクールなものです。
「ひっくりかえりましたけど、何か?」
と言わんばかり。

二人の最大の違いは、性格かもしれません。

長男と次男って、決定的に違いますよね。
(男兄弟育ちの方々、是非、お話し聞きたいです)

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0歳3カ月の育児の話し。

ごぶさたしております。
薄組の石橋涼子です。
育児日記がまったく更新されていなくてすみません。
というか肝心の原稿執筆を休んでいてすみません(内部向けコメント)。

そして!
タイトルがリセットされているじゃないかと
お気づきになった人はいらっしゃるでしょうか?
そうです。
そういうことです。

すーさんが若返りました。
ちがいます。

すーさんに弟ができました。
育児日記もセカンドシーズンに突入です。

というか、すーさん、いつの間にか2歳10カ月です。
成長を一年以上も省略された挙げ句、主役から降板です。
ごめんねすーさん!

新主役のじろさん(仮名)は現在6キロちょっと。
オムツはSサイズ。
座布団が敷き布団として使えるくらいのちっちゃさです。
赤ちゃんだなあー。

ひたすらミルク飲んでうんちしてたまに吐いて
寝て泣いてまた寝ております。
赤ちゃんだなあー。

というわけで、育児絵日記セカンドシーズン
何卒よろしくお願いいたします。

原稿執筆復帰はもう少々お待ちください…(内部向けコメント)

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石橋涼子 14年1月19日放送



誕生にまつわる話 ウィリアム・サローヤン

アメリカの作家、ウィリアム・サローヤン。

彼は貧しい移民の子として生まれ、
幼くして父を亡くし、
大恐慌時代に職を転々としながら青春期を過ごした。

恵まれた環境で育ったとは言い難い彼だが、
作品では庶民の生活を温かくユーモアたっぷりに描いた。
底抜けに明るくて、ときにセンチメンタルなストーリーは
大人からこどもまで多くの人に愛された。

彼はこんな言葉を残している。

 自分の誕生に我々は関与できないのであるから、
 生まれたということ自体、
 すでに「生きよ」という運命の結末なのである。

サローヤンは、
人が生まれや育ちを選べないことをよく知っていた。
「どう生きるか」を選べるのは自分だけ、ということも。

苦労を重ねた作家は、苦労をそのまま描かない。
ただ、人生は幸せばかりではないけれど、不幸ばかりでもない。
そんなささやかな日常を描き、
人々に明日への夢と希望を抱かせるのだ。

大きな夢ばかりが、アメリカンドリームではない。

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石橋涼子 14年1月19日放送



誕生にまつわる話 谷川俊太郎

芥川龍之介が描いた河童の世界では、
お腹の中の赤ちゃんに
この世に生まれたいかを問いかけ、選ばせる。

私たち人間はもちろん選べない。けれど
自分なりの答えを考えることができる。

10歳のこどもの質問
「人は、なにをしに生まれてくるのですか?」
に、詩人の谷川俊太郎さんはこう答えた。

 人は何かをしに生まれてくるわけではありません。

 生きているのが楽しくて

 幸せだと思えるように生きる、

 そのために生まれて、生きているんです。


さて、あなたの答えはどのようなものでしょう。

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