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厚焼玉子 15年9月26日放送

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onigiri-kun
宇宙月間3 花

コスモスの意味は秩序。
宇宙をコスモスと呼んだ人々は
宇宙を秩序があって調和のとれた状態と考えていた。

ところで、
メキシコの高原に咲いていた花がヨーロッパに運ばれ、
コスモスと名付けられたのはなぜだろう。

コスモスの咲く時期には一定の秩序がある。
夏が暑くても寒くても、
どんなに種を早く撒いても
コスモスの咲く時期は変わらない。
コスモスは昼間の時間が短くなって咲く花だからだ。

早咲き、夏咲き、
近ごろは品種改良が進んでいるようだが
コスモスはやはり秋が似合う。

コスモスが咲く9月は宇宙の月

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厚焼玉子 15年9月26日放送

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宇宙月間4 最終章

北欧神話の終末ラグナロクはこんな風に描かれる。

神々は巨人族に敗れ、太陽も月も怪物に呑まれる。
炎は世界を焼き尽くし、世界は沈む。
しかし再び大地は蘇り、新しい神々とともに
太陽の娘が空に輝く。

多くの神話には滅亡のストーリーがある。
そして復活のストーリーも。

現代の宇宙論による終末のシナリオは
ダークエネルギーの存在が鍵になるらしい。
重力に反発するそのエネルギーの量によって
宇宙は静かに凍りついた終末を迎えるか
すべての星が引き裂かれて終わるかというシナリオだ。

そしてまた、
新しい宇宙が生まれる可能性も考えられている。
我々の、いまの宇宙が生まれたように。

9月は宇宙の月

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厚焼玉子 15年3月14日放送

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三人のマーサ1

アメリカ合衆国歴代のファーストレディには
三人のマーサがいる。
ひとりめは初代大統領ジョージ・ワシントン夫人
ふたりめは、三代め大統領トマス・ジェファーソン夫人
三人めは、そのトマス・ジェファーソンの長女、
マーサ・ジェファーソンで
亡き母にかわってファーストレディの役割を担った。

マーサという名前は
聖書に出てくるベタニアのマリアの姉マルタに由来する。
イエスがその家を訪れたとき
姉のマルタはイエスをもてなすために一生懸命働いたが
イエスの心にかなったのは妹マリアだった。

忙しかったマルタ、でも褒められたのはマリア。
どうも割に合わない。

36代ファーストレディ、ジョンソン夫人はこんな言葉を残した。
「ファーストレディとは、一人の人間、つまり夫から選出された、
 給料がもらえない公務員です。」

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厚焼玉子 15年3月14日放送

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三人のマーサ2 

アメリカ合衆国歴代のファーストレディには
三人のマーサがいる。
そのひとりめは、初代大統領ジョージ・ワシントン夫人。

ジョージ・ワシントン夫人のマーサは
裕福な農園に生まれた。
丸顔で小柄だったが乗馬が得意で、
馬で階段を駆け上がるほどの腕前だったという。

18歳で結婚、25歳で未亡人になり
その2年後にジョージ・ワシントンと結婚した。

夫が大統領に選ばれてしまうと
ファーストレディとしてのつとめは果たし、
どんな行事も几帳面にこなしていたが、
あくまでも控えめで奥ゆかしく
内助の功ともいうべき姿だったと伝えられる。

ワシントンが亡くなるとき
マーサは
「もうすぐおそばに参ります」と話しかけている。

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厚焼玉子 15年3月14日放送

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三人のマーサ3

アメリカ合衆国歴代のファーストレディには
三人のマーサがいる。
ふたりめは、三代め大統領トマス・ジェファーソン夫人。

トマス・ジェファーソン夫人のマーサは
大きな目をしたほっそりと優雅な女性で
たいへん美しかったといわれる。

18歳で結婚し、2年足らずで未亡人になったとき
当時弁護士だったトマス・ジェファーソンがあらわれた。
マーサはハープシコード、トマスはバイオリン、
仲良く演奏する姿が見られるようになった。

ふたりが結婚して11年め
マーサは死の床にあった。
トマスはマーサに二度と妻を持たないことを誓い、
それを実行した。

マーサはトマス・ジェファーソンが
大統領になる前に亡くなったが
歴代のファーストレディのひとりに数えられている。

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厚焼玉子 15年3月14日放送

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三人のマーサ4

アメリカ合衆国歴代のファーストレディには
三人のマーサがいる。
三人めは、三代め大統領トマス・ジェファーソンの娘マーサ。

マーサはトマス・ジェファーソンとその妻マーサの
長女として生まれた。
10歳で母を失い、12歳からパリで教育を受けていたが
修道女になりたいと考え始めたために連れ戻され
17歳で政治家の従兄弟と結婚した。

父トマス・ジェファーソンが大統領に就任したときは
すでに4人の子供がおり、しかも妊娠中だったが
亡き母にかわってファーストレディの役目を担った。
社交行事、家政のきりもり。
そして、その間に4人の子供を出産している。

修道女になりたかった女の子から
タフなファーストレディへ変身したマーサ。
マーサは大統領である父親似だったといわれている。

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厚焼玉子 12年9月16日放送


なお
夢二の手紙 1 秋の気配
竹久夢二の手紙

 今日はぼんやりしたお月さま、
 ちょうどおまえのようだね。
 風がことこと障子をゆすると、
 人間はすべてさみしいものだと思う。

 いま日が暮れるところで
 紅い横雲が美しい。

大正10年の秋
夢二が留守をしている恋人に宛てて書いた手紙には
肌寒く、寂しい夜の景色が見える。

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厚焼玉子 12年9月16日放送


jikatu
夢二の手紙2  宵待草

竹久夢二の手紙

 今夜は暗い星月夜です。
 ふっと、波の音が耳に響いてきたのです。
 今更、あなたの心をどうしようというのではないのです。
 今後、十年二十年、逢うことはあるまいけれど
 また、あなたも逢うことを欲しまいけれど
 私がひとりで松原を夢みるという事実を妨げることは
 誰も出来ないのだ。

この手紙の相手は
夢二が千葉の海岸で出会った人だった。
夢二は片思いのその人を「おしま」と呼んだ。
宵待草のモデルになった人だった。

夢二は結局この手紙を出すことがなかった。

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厚焼玉子 12年9月16日放送



夢二の手紙3 女学生

竹久夢二の手紙

 こうして手紙のくる日まで待っている私かと思えば
 この日ごろの私があわれまれる。

 あなたもいとしい、かわいい。
 私もかなしい。

 なんというかなしい、寂しい恋であろう。
 思うまい思うまい
 ゆくすえのことは誰が知ろう。
 こうして待ってこがれている今日の日が事実ばかりで。
 きのうもあすも知らない。

 それにしてからが
 いまのいまのこの心の置きどころのわびしさ。
 心のひまのないこの頃のようでは、私は死ぬであろう。
 とりとめて、しっかりと、何も私は握っていない不安。

 やはり、ただひとりの思う人がなくては
 生きていられない私を思う。

それは大正三年ころだった。
夢二は自分のファンだった女学生と恋に落ちてしまった。
夢二には妻があり、女学生には許婚がいた。

手紙のやりとりさえ身も細る思いのふたりだった。

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厚焼玉子 12年9月16日放送



夢二の手紙4

竹久夢二の手紙

 秀子へ
 こんなにまた、切ないやりとりをする自分を
 少しあわれに思う。
 秀子は、なんとも言って来ない。
 もしや、病気かしらともおもう。

 また今日も植木をいじろう。
 こんなときに、なんにも出来ない。

夢二の手紙は日記のようだ。
でも、この日記は返事を欲しがっている。

これが恋文というものかもしれない。

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