stevendepolo
明日、2月14日。 宇野千代
明日、2月14日。
バレンタインデー。
私は、あの人に、告白するだろうか。
しないだろうか。
そんな思いをかかえ、
もんもんとした夜を送っている
女性はいますか?
いますよね、きっと。
そんなあなたに伝言です。
98年間の人生を
全力で思い切り生き抜いた
小説家、宇野千代さんからの、こんな一言。
恋をしなさい。好きと言えないなんて、ケチな根性よ。
stevendepolo
明日、2月14日。 宇野千代
明日、2月14日。
バレンタインデー。
私は、あの人に、告白するだろうか。
しないだろうか。
そんな思いをかかえ、
もんもんとした夜を送っている
女性はいますか?
いますよね、きっと。
そんなあなたに伝言です。
98年間の人生を
全力で思い切り生き抜いた
小説家、宇野千代さんからの、こんな一言。
恋をしなさい。好きと言えないなんて、ケチな根性よ。
土の話 四狭間かなた
「一カ所焼き」と呼ばれる焼き物がある。
提唱するのは、
栃木県佐野市の陶芸家、
四狭間かなた(しさま かなた)。
なぜ「一カ所焼き」なのか。
材料を、とくに陶芸に適したわけでもない、
自分の住む土地の一カ所だけで調達する。
土も、石も、薪も、
近所の名もなき山や川で見つける。
釜も煙突もそのへんの土でつくった。
四狭間さんは言う。
自分の足で歩きながら、目の前にあらわれる
さまざまな自然の素材を、
感謝しつつ手を使って工夫し、焼いて、遊び倒すんです。
「つくる」という行為は、原始的なほど、
おもしろいのかもしれない。
music2020
編み物のはなし グレン・グールド
極度の潔癖症でしられたピアニスト、
グレン・グールド。
彼は、極度の寒がりでもあった。
夏でも暖かいセーターにマフラー。
毛糸の帽子をかぶることもあった。
からだの感覚も、精神の感覚も、
ふつうの人とはちがっていたのか。
でも、そんなグールドの演奏するピアノ曲が、
人類を代表する音の一つとして
今日も宇宙を旅している。
いつの日か、グールドを聴いた宇宙生命体は、
人類をどんな生き物だと想像するだろう?
編み物のはなし フランソワ・クープラン
バロック音楽の作曲家
フランソワ・クープラン。
優美で洗練された、
いかにもフランスらしい小作品を残した。
代表作「クラブサン曲集」は、
230にも及ぶ組曲で構成される。
その曲名の一つ一つが、
18世紀フランスの息吹を生き生きと伝えている。
「森の妖精」
「猫なで声」
「心地よい恋やつれ」
「恋の夜鳴うぐいす」
「小さな風車」
そして「編み物をする女たち」
編み物は、ずっとヨーロッパ人の
心の風景だったのかもしれない。
戦争と平和 石橋湛山(いしばしたんざん)
ジャーナリスト、石橋湛山。
戦争へ向かう日本で、
敢然と軍部を批判した。
世界の国々と友好を築き、貿易を活発化し、人の力を生かす。
それが日本の繁栄する道。
理想論ではなく、冷静な分析に基づいた主張だった。
軍部の暴走を止めることはできなかったが、
戦後日本の復興に心血をそそいだ。
1950年、第55代内閣総理大臣就任。
病のため、在任期間はわずか65日。道半ばだった。
石橋の残した言葉がある。
資本を豊富にするの道は、
ただ平和主義により、
国民の全力を学問技術の研究と産業の進歩とに注ぐにある。
erinc salor
気になるあの人 ボビー・マクファレン
音楽家はふつう、観客に音楽を聞かせる。
けれどここに、観客の音楽を聞く音楽家がいる。
ジャンルを超えた
音楽を創造しつづけるアメリカの音楽家、
ボビー・マクファレン。
ある日、オーケストラを指揮していた彼は
突然、観客のほうに振り向くと
指揮棒をあげ、こう言った。
みんなアヴェ・マリアを習ったことはあるよね?
振り下ろされる指揮棒。
あちこちから、かすかな歌声が起こる。
とまどいがちだった歌は、
重なり合うことで自信に満ちた音楽へと変わっていった。
音を響かせあう楽しさが、そこにあった。
聞く側と、聞かせる側。
ボビーはそんなジャンルさえ、飛び越える。
Sugawara / yuma
気になるあの人 宮井和夫
サメやカツオ、それにタコ。
カラフルな姿で車体からあふれんばかりに描かれている。
こんなタクシーが走る街は、きっとほかにない。
発案したのは、
気仙沼観光タクシーの宮井和夫(みやい かずお)社長。
震災後の灰色の街を明るくしたかった。
街歩く人を、ちょっとでも楽しい気持ちにさせたかった。
苦しい思いをした地域。
だからこそ、世界一幸せになる権利もあると思うんです。
宮井さんの語る希望は、
未来ではなく「今ここ」という現実の時間の中にある。
japanesefilmarchive
はじまりの言葉/増村保造(ますむら やすぞう)
フェリーニやヴィスコンティに学び、
斬新な演出で戦後の日本映画に
新風をふきこんだ映画監督、増村保造。
日本的な情緒や雰囲気を嫌い
個人が発する「自我」を強烈に描きつづけた。
登場人物が強烈なら、演出方法も強烈。
死へと疾走する遊郭の女性を描いた「曾根崎心中」。
ヒロインの恋人役を演じた宇崎竜童に対する
撮影開始の合図は
「よーい、強く喘いで死ぬ気で、スタート!」
だったという。
serakatie
はじまりの言葉/リチャード・バック
何十年も生きてきて、
毎年、年の初めには、抱負のようなものも考える。
けれど、わからないのである。
一年一年、抱負が自分を成長させたのか。
むしろ、抱負負けして、
毎年どんどんダメになっているのではないか。
それでも、と「かもめのジョナサン」の作者
リチャード・バックは言います。
やっぱり自分の歌をうたい続けることだと思うね。
思いわずらい、駆けずり回りながらでも
自分の歌だけはうたい続けるわけだ。
2015年、
あなたの歌を大きな音で聴きたいです。
Marianne Bevis
言葉2014 ロジャー・フェデラー
「もうフェデラーの時代は終わった」
そんな観客たちの声を、彼は感じていただろうか。
2014年ウィンブルドン。
ピークを過ぎたはずのロジャー・フェデラーは躍動した。
体力が落ちた分は技と精神力でカバーした。
ピンチを何度ものりこえ、進んだ決勝戦。
第4セット。
対戦相手ジョコビッチのマッチポイント。
さすがに、フェデラーもここまでか。
だれもが思った。力の差は歴然に見えた。
けれど、ここからのフェデラーはすさまじかった。
毎日少しずつ何かをあきらめている僕らは、
決してあきらめちゃダメなんだと、
最終セットに突入するフェデラーを見て思った。
表彰式。チャンピオン、ジョコビッチの第一声。
僕はフェデラーのありとあらゆるすべてを尊敬する。
それは場を盛り上げるための
賛辞なんかではなかった。
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