①カンヌ前夜の過ごしかた
6月14日(土)午後7時。
成田からチューリッヒを経由してカンヌへ。
前日徹夜で乗ったので、14時間のフライトはほとんど睡眠に充てた。
(あ、でも、スパイク・ジョーンズの『her』だけ観たな。
ホアキン・フェニックス、どんどんいい役者になっていくな…。)
昼だか夜だか忘れたけれど機内食を食べ損ねた。
ニースに着くとまさかの小雨だった。
6月の降水量が東京と比べたらおよそ4分の1。
ザ・地中海性気候のど真ん中の、カラッと温暖なはずのこの地域で、雨。
ちょっと肌寒い。明日も天気が悪いという情報がどこからか聞こえてくる。
ニースからカンヌまではバスか電車。どちらも30~40分ぐらい。
今回は旅行会社が用意したバスで向かった。
ところで、海外のバスって、なんでエアコンが強烈なのだろう。
アジアだけかと思っていたけれど、フランスも寒かった。
海外旅行には欠かせないナイロン製の薄手のパーカーを羽織る。
カンヌ市街が見えてきた。
路面は濡れているけれど、雨はほとんど感じないぐらいになった。
今回泊まるホテルは駅前のこじんまりとした★★(二つ星)のホテル。
チェックインをして、強烈な狭さの二人乗りエレベーターが来るのを待っていたら
外国人女性に話かけられた。
「あなたたち日本人?」
「うん。」
「やっぱり!そうだと思ったんだよねー!」
「きみはどこから来たの?」
「コスタリカよ!」
「おおー、コスタリカ!W杯にも出てるね。」
「そうなの!そして私はヤングカンヌにエントリーしてるの。」
「それはすごい。明日から頑張って!」
「ありがとう!!頑張るわ!!」
明日から始まるカンヌが楽しみでたまらない彼女の
全身から発散されるポジティブなオーラに、こっちまでテンションが上がってくる。
サッカーW杯のコスタリカ代表はその後、大躍進を遂げた。
彼女はどうだったのだろう。
会社から一緒に参加したSさんが初カンヌだったので、
案内も兼ねて会場まで散歩に出かける。
午後8時。この時期のカンヌの日の入りは午後9時過ぎだから、まだまだ明るい。
会場の近くまできたところで、ひとつ先の信号に日本人審査委員のTさんを見かけた。
遠かったので声をかけられなかったけれど、グッタリとやつれて見えた。
そうか、審査はもう始まっているんだもんな。
会場のパレ(正式名称:パレ・デ・フェスティバル)はホテルから歩いて5分だった。
ものすごく巨大なこの会場は、
改修工事をやるとかやらないとか煮え切らない感じで数年経っている。
完成予想図は会場内に張り出されていて、どうやらこんな感じになるらしい。
外観は、会場左手のガラスで覆われた部分がもっと大きくなるらしい。
バリアフリー化も進むらしい。ググったら、完成予想図の拡大図が出てきた。
※ホントにちゃんと工事やるのー?と疑ってしまったので、日本に帰ってきてから調べたら、
工事が始まっているみたいで、既にガラスのエリアが取り壊されていました。
来年カンヌに行く人は、まずは会場の外観からチェック!
会場周辺を歩いていたら、さすがにお腹が空いてきた。
カンヌで最初に困るのは、到着した日の食事だと思う。
明日からはじまるフェスティバルに心躍りすぎて、初日のご飯のことまで意識が回らない。
(翌日からは様々な人との出会いや各種パーティがあるから、正直、ご飯には困らなくなる。)
3年前、初めて一人で行った時は、一度は駅前のレストランへ向かったけれど、
酔っぱらう外国人が溢れる店内に一人で入っていくことができず
(なんて内気な日本人だったのだろう!)
夜中に開いているコンビニもある訳がなく、結局、ビーチに沿って点在するKIOSKで、
パニーニとビールを買って、カンヌの海を眺めながら食べた。
(パニーニが大きすぎて半分しか食べられず、残りは部屋に持ち帰って食べた。)
今回のカンヌは、海を眺めながらのパニーニではなく、
同僚のSさん、そして前回カンヌで出会い、行きの飛行機が一緒だったKさんとイタリアンへ行った。
3年前はビーチでパニーニだったのに、いま3人でイタリアン。こんなささやかなことが僕は嬉しい。
これから初めてカンヌに行かれる方で、3年前の僕のように
カンヌ到着初日の晩ご飯難民になってしまった方は、
飛行機で同じ便だった人に思いきって話かけてみることをお勧めします。
みんな、すました顔してカンヌ入りしているように見えますが、
僕も含めて内心、ドキドキしている人が多い気がするのです。
初日にご飯をご一緒できると、期間中の人のつながりも広がりますよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このレポート、ぜんぜん、フェスティバルが始まりませんが
次回からはしっかりレポートいたします!
最後に、3年前に初めて参加した時の様子をまとめた「僕の見たカンヌ2011」を載せておきます。
カンヌに旅立つ二人の同僚の役に立てばと描いたものです。
このコラムが終わる頃までには「僕の見たカンヌ2014」が出来上がる予定。
あくまでも予定です!汗