番組制作奮闘記-4
自由がいちばん、難しい。 (細田高広)
前回の記事にあった、南麻布の夜。
思い返して手帳をめくってみたら、
6月8日と書いてあります。
オンエアーからさかのぼること約2ヶ月ですね。
僕らは早速、翌日から原稿に取り組みました。
が、思うように筆が進みません。
「コンビニを舞台にしたオムニバスで、あーで、こーで…」
と皆で話しているときには捉えた気がした「企画の芯」。
それが、いざ原稿用紙を前にすると
蜃気楼のように儚く消えてしまうのです。
こんなとき、普通の広告制作の仕事ならば
オリエンペーパーを読み返して
「そうそうこれが問題なんだよな」
と一から再確認できるのですが。
この仕事にお題なんてあるはずありません。
純粋に、何が書きたいの?が試されている。
はて。コンビニを舞台に、
一体何を書けば面白いんだろう。
何も制約のない広大な白紙が、
まるで砂漠のように思えてきます。
悩んだ挙句、
コピーライターだし広告発想で進めてみよう、
とコンビニの中の商品に寄り添って書き始めました。
僕と八木田でなんとか揃えた原稿、およそ5本。
おそるおそるJ-WAVEの久保野さんと、
厚焼玉子さんに送ります。
すると、返事はすぐに帰ってきました。
「商品に縛られ、自由を失っています。」
不自由な言葉は、すぐにバレる。
(つづく)
そんなこと言いましたっけ?
(暑さと湿気で記憶は蜃気楼の彼方)
自由も蜃気楼の彼方?
って感じてしまいました。
いや、違うはず。
25時たのしみにしてますっ!
おんなじ事をしていても、ちがう事を感じていたりする。
細田君が自由に戸惑っているころ、私は不自由に戸惑っていました。
「コンビニ」を発見したあと、苦戦したのは、確かだよね。