土居美由紀 09年8月29日放送
野口英世の母
明治45年
アメリカで研究を続ける野口英世に届いた一通の手紙がある。
文字というものをほとんど書いたことのなかった母が
一所懸命書いた手紙は
すべてひらがなで書いてあった。
おまえの出世には、みなたまげました。
わたくしもよろこんでをりまする。
どか はやくきてくだされ
はやくきてくだされ
はやくきてくだされ
はやくきてくだされ
はやくきてくだされ
母の言葉は息子を呼び寄せる。
それから3年後、野口英世は最初で最後の帰国を果たした。
会いたい。早く会いたい。
人を想えば生まれる言葉の、なんと強きこと。