Vision収録見学記(8)
石橋涼子―現場ときどき脱線
収録が続きます。
私は今回2本の原稿を書かせて頂いたのですが
事件はピカソの愛人ドラ・マールによってもたらされました。
本能で泣く女ドラ・マールに対して、
一度だけ涙を見せたピカソ。
ドラが涙の理由を聞くと、
「人生はあまりにもひどい、という以外に説明ができない」
なんて言っちゃって、しっかり説明しちゃうんですね。
時代はスペイン内戦の真っ只中、
ピカソがゲルニカを制作していた頃。
ここでいう「人生」は、ピカソ個人の人生というよりも
運命とか、人の世の愚かさとか、もっと大きな意味ですね。
でも、私がこの話を読んだときに感じたのは、
原稿の最後に書いた一文、
「男の人の涙って、理屈っぽくって、うすっぺらで、ダメね」
という気持ちだったんです。
さて、また脱線します。
私事で恐縮ですが、学生のころの話でございます。
ある日、私への恋心が冷め切った恋人から、
とーとつに別れを切り出されました。とほほ。
そのとき、なぜか彼は、
意味の無い理屈を言いやがったのです。
「二人の成長のためにも、別れるしかないんだよ」
なぜ「冷めました」と素直に言えないのでしょうか。
理屈とか説明とかいらないから!
それ、自分のための言い訳であって、私のためじゃないから!
どあほー!!
あ、遠くに行ってばかりですみません!
Visionに戻ります! (つづく)
石橋くん、そういう男と早く別れてよかったですぞ。
元気が無いときや疲れたときに、当時を思い出すと
「あほー!!」と思えて元気になれます。
意外と便利に使っております。
怒りはパワーなのだな〜〜