佐藤延夫 10年01月02日放送
「18歳のあなたへ/アルフォンス・ミュシャ」
今年、18歳になるあなたへ。
「将来の夢は?」
そんな質問をされるのが苦手という、あなたへ。
夢は、いつ花開くのか。
その答えなんて、誰にもわからないこと。
18歳のとき裁判所で働いていたアルフォンス・ミュシャは
仕事中に被告人の似顔絵を描きクビになってしまう。
彼がやがてアールヌーヴォーを代表する画家になるとは
そのとき誰も思っていない。
運命が微笑むときはきっとくる。
がんばれ、18歳。
「20歳のあなたへ/樋口一葉」
今年、ハタチになるあなたへ。
お金の大切さがわかりはじめた、あなたへ。
今の五千円札に描かれている女性は、
ハタチのとき、今日を凌ぐお金にも苦労していた。
小説家を目指していた樋口一葉。
執筆活動だけではやっていけず、
片手間で雑貨屋を始める。
それでもお金は足りず、高利貸にも通った。
家は貧、ただ迫りに迫れど、心は春の海の如し
今の時代、この人が五千円札で良かったのかもしれない。
ハタチの皆さん、お金と夢は大切に。
「25歳のあなたへ/ネリー・ブライ」
今年、25歳になるあなたへ。
仕事の面白さがわかってきた、あなたへ。
アメリカの女性ジャーナリスト、ネリー・ブライは
25歳のとき、その後の人生を変える仕事に取り組む。
それは、「80日間世界一周」を実際に体験するという無謀な企画。
飛行機なんて存在しない19世紀の末、
汽車と船を乗り継ぎ、
各地で記事を書きながら72日で戻ってきた。
世界初の女性ジャーナリストは、
単独で世界一周をした世界初の女性にもなっていた。
25歳は、少しくらい無鉄砲なほうがいい。
「30歳のあなたへ/アガサ・クリスティ」
今年、30歳になるあなたへ。
毎日に少し迷っている、あなたへ。
イギリスの、ある女性の話です。
16歳のときパリの音楽学校に入学するも、挫折。
24歳で結婚し、看護師として働く。
26歳のとき、ある小説をわずか3週間で書き上げる。
さあ、ここからが大切。
30歳のあなたへ。
20代の苦労を忘れてはいけません。
自信があるなら、諦めてはいけません。
ある日、出版社に何度も断られた作品が採用となり、
彼女は華々しくデビューする。
それが推理作家、アガサ・クリスティーの30歳。
作品は「スタイルズ荘の怪事件」。
30歳のエンジンは、一度火が点けばすぐに熱くなる。
迷う前に、走ろう。
「40歳のあなたへ/ゲーテ」
今年、40歳になるあなたへ。
40代の恋について
ドイツの文豪、ゲーテは
こんな言葉を残しています。
二十代の恋は幻想で
三十代の恋は浮気である
人は四十代になってはじめて
真のプラトニックな恋愛を知る
いまからでも遅くない。
ゲーテが初めて結婚したのは、57歳のときですから。