チャールズ・リンドバーグと春
飛行機の窓から見える景色は、
80年前は、まだ当たり前ではなかった。
チャールズ・リンドバーグが、
人類史上初めて大西洋単独無着陸飛行を達成したのは、
1927年の春のこと。
スピリッツオブセントルイス号に乗って
青空に浮かんでいるとき
リンドバーグの脳裏に浮かんだのは
こんな言葉だった。
「何事が起ころうと、この瞬間、生きているだけで充分だ!」
いろんなことに行き詰まったとき。
窓を開けて、ちょっと青空を見上げてみませんか。
チャールズ・リンドバーグと春
飛行機の窓から見える景色は、
80年前は、まだ当たり前ではなかった。
チャールズ・リンドバーグが、
人類史上初めて大西洋単独無着陸飛行を達成したのは、
1927年の春のこと。
スピリッツオブセントルイス号に乗って
青空に浮かんでいるとき
リンドバーグの脳裏に浮かんだのは
こんな言葉だった。
「何事が起ころうと、この瞬間、生きているだけで充分だ!」
いろんなことに行き詰まったとき。
窓を開けて、ちょっと青空を見上げてみませんか。
春の花 星野富弘
星野富弘が体育の教師になって2ヶ月め
24歳の春のことだった。
彼は肩から下がすべて麻痺してしまう事故に遭った。
9年に及ぶ入院生活のなかで
それでも彼は生きがいを見つける。
それは故郷・群馬の田舎に咲く草花を描くこと。
わずかに動かせるのは首から上だけ。
だから、筆を口にくわえて描いた。
描けることが嬉しくて、ひたすら描いた。
ぶどうの絵には、
こんな言葉も添えられている。
喰われてもよし
つぶされてもよし
干されてもよし
一番 甘くなって 枯れよう
事故から40年。
今日は星野富弘の64歳の誕生日。
草も木も、おめでとうと微笑んでいます。
100回目の春
百歳にもなればその道が見えてくる。
人生も季節と同じで
過ぎてみてはじめて春夏秋冬があることがわかる。
こんなことをおっしゃっているのは
100歳のおばあちゃん、矢谷千歳さん、
終わらない冬はない。
けれど、春だって
いつまでも止まっていてはくれない。
ひとつひとつの季節を
噛み締め、味わって生きましょう。
与謝野晶子の春
こころが浮き立つのは
春だから。
理由なんて、それだけで十分。
歌人与謝野晶子の春の歌に
こんな一首がある。
清水へ祇園をよぎる桜月夜
こよひ逢ふ人みなうつくしき
月の美しさ、桜の美しさ
そして、夜桜を見に出て来た人まで美しく見えるのは
春だから、自分の心が浮き立っているから
そして、恋をしているから。
このとき、与謝野晶子は
大阪の老舗の和菓子屋の娘で
与謝野鉄幹の弟子のひとりに過ぎなかったけれど
心には消えることのない恋の灯がともっていた。
清水へ祇園をよぎる桜月夜
こよひ逢ふ人みなうつくしき
こころが華やぐのは
恋をしているから
理由なんて、それだけで十分。
京都は結婚前の与謝野鉄幹と晶子が
忍び逢った町でもあった。
スヌーピーの春
世界一有名なビーグル犬、スヌーピー。
チャーリーブラウン少年の家に来るまえ、
別の飼い主に捨てられた過去があることは、
案外知られていない。
よく犬なんてやってられるね。
そんな問いにスヌーピーはこう答える。
配られたカードで勝負するしかないのさ。
それがどういう意味であれ。
現実から目をそらしたり、自分の境遇を嘆いたり、
人間みたいなことはしない。
上を向き続ける。それが人生のコツさ。
そうつぶやく犬小屋の上のスヌーピーみたいに、
空をながめてすごす春の一日も悪くない。
山村暮鳥の春
詩人山村暮鳥作、「風景」。
そこにはただただ同じことばが並ぶ。
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
そこにはただただ同じけしきが広がる。
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
ときにことばは、
どんなハイビジョンより
ほんものの春を映し出す。
城山三郎と春
「そんな人は、うちにはおりません。」
作家・城山三郎に春を告げたのは、
妻のそんな声だった。
城山はそのとき風呂に入っており
玄関では妻が文学界新人賞受賞の電報を届けにきた配達員を
追い返そうとしていた。
妻は夫が城山三郎というペンネームで
小説を書いていることを知らなかった。
城山三郎が「輸出」という小説で
第四回文学界新人賞を受賞したのは1957年の春。
駆け出し作家の貧乏生活を支える妻は
夫のペンネームを知る余裕はなかったのだ。
けれど、その次の年。
直木賞発表の夜、妻はお風呂を湧かして知らせを待っていた。
新人賞のときは城山が入浴中に受賞の電報が来たので
縁起をかついだらしかった。
待っていた電報は来なかったけれど
近所の八百屋の電話が鳴って、直木賞受賞を知らせた。
そんな妻が亡くなって
城山三郎は一冊の本を書いた。
「そうか、もう君はいないのか」
それはスター作家城山三郎ではなく
本名杉浦英一の妻だった女性に宛てた恋文だった。
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