名雪祐平 10年04月25日放送
尾崎豊
尾崎豊の歌なんて、
好きじゃない。
そんな人もいるかもしれない。
でも。
好きでも、嫌いでも、
人の意識に
いまも棲み続けている。
彼の歌がもつ魔力は、
たしかにある。
生きていれば今年45歳。
この時代を
どんな歌にしただろう。
4月25日は、
尾崎豊の命日。
二葉亭四迷 1
文学を志すことを
反対した父親から、
「くたばってしめえ」
と罵られた。
そこで、若者は
自分のペンネームを
くたばってしめえ、
「二葉亭四迷」にしたという。
当時、画期的だった
話し言葉を用いて
処女小説『浮雲』を
書き始めた。
無名の24歳が、
ひょいっと、
近代文学の扉を開けたように
思えた。
二葉亭四迷 2
近代文学を一新させた
小説『浮雲』が
未完のまま、挫折。
作家、二葉亭四迷は
次にロシア文学の翻訳にとりかかる。
ツルゲーネフの小説では、
「愛しています」に変わる
すばらしい名訳を残した。
「死んでもいいわ」
しかし、文学のリアリティを
どこかで信じ切っていなかったのか。
官僚に就職してしまう。
貧しい人々の救済を考え、
そして、貧困の町で
出会った娼婦と結婚。
明治時代の官僚が
周囲のモラルとは関係なく、
娼婦を妻にすること。
そのリアリティこそが
彼にとっての
文学だったのだろうか。
レオナルド・ダ・ヴィンチ
画家、
彫刻家、
建築家、
土木設計者、
解剖学者、
天文学者、
それらを一人でやってのけた、
レオナルド・ダ・ヴィンチ
ほんとうに彼は
一人だったのだろうか。
10人くらい、いたのでは。
そう疑ってしまうほど、
凄すぎる。
アル・パチーノ
この男こそ。
『ゴッドファーザー』の
コッポラ監督が惚れ込んだのが、
イタリア系の小さな身体の俳優、
アル・パチーノだった。
映画は記録的な大ヒットとなる。
ところが、けっきょく、
彼にはギャラが
手に入らなかったという。
『ゴッドファーザー』出演によって、
別の映画の契約が破棄になり、
ほとんどを違約金にとられてしまった。
不器用な男の、不器用な結末。
でも、
1本の映画でスターの座を射止めた。
この男こそ。
こんどは、世界中の人々が惚れ込んだのだ。
4月25日。
アル・パチーノの誕生日。
70歳になり、
次はどんな演技を観せてくれるだろう。
スタール夫人
フランスの批評家、
スタール夫人。
ナポレオンを
目の敵にするほど、
激しい野心があったという。
そんな彼女が結婚について
こう語った。
私は男でなくて幸せだ。
もし男だったら、
女と結婚しなければならないと
思うから。
さすが優れた批評家。
自己批評もできていた。
マルキ・ド・サド
人生の後半のほとんどを
牢獄と精神病院にいながら、
作品を書き続けた
サド侯爵。
サディズムとは何か。
18世紀にあなたが示した
肉体的快楽の謎を
人間たちは
今夜も解こうとしている。