五島のはなし(111)
お盆休みの1週間、五島で魚釣りをする。
このことを、僕の兄は「命の洗濯」と呼んでいる。
都会で1年間ためた命の汚れは、
なかなかひどいものなのか、
とりつかれたように毎日海に向かう。
今年、命の洗濯はエギングで行う、と兄は決めていた。
エギングとは、アオリイカ(五島ではミズイカと呼ぶ)を、
エギと呼ばれる専用のルアーで釣ることだ。
ちなみにエギは漢字で餌木と書く。
兄はいままでやったことのなかった(僕もやったことなかったが)この
エギングなる釣り方を、五島に帰省する前に必死に勉強し、
こまめに釣り具屋に通って道具を揃え、
五島での本番に臨んだ。
一年間のうっぷんを五島での釣りではらそうとする、
そのけなげな姿を五島の釣りの神様はずっと見てたのでしょう。
兄はよく釣りました。釣りまくった、と言っても過言ではないほど。
ベストシーズンではない五島のアオリイカを。
釣った感触を何度も何度も思い出しながら、
(職場の同僚にちゃっかり自慢話もしながら)
兄はまた1年、都会暮らしをがんばることでしょう。
仕事中にもかかわらず・・は事実だが一言多いのでは?
そうやね、仕事してないって
誤解されるもんね。
ここ、あとで訂正しとこう。
干して冷凍しておいて持ち帰っていただきたいもんです。
ですよね、
このアオリイカ(九州では水イカ)、一度冷凍しても美味しく刺身で食べれるのが特徴なんです。<イカ釣り名人が言うのですから間違いありません>尚且つ一度冷凍した方がうまみが増すとの話しも・・いずれにしても気の利かないやつです。
そうか、持って帰るほど釣ってなかったっけ?言ってくだされば分けてあげたのに。
いえ、焼酎やらうどんやらお土産をたくさんいただいているので
文句を言う筋合いではないのですが、しかし….イカがうまそ〜〜です…
ううむ・・・
しょうがない、秋にもう一回
釣りに帰ります。