中村直史 10年11月14日放送
人と石/早田くん
1979年のことだった。
夏休みの自由研究のため、
熊本県御船(ミフネ)町にやってきた
小学一年生の早田くん。
目的は、貝の化石を見つけることだった。
でも、見つけた化石は
貝にしては少し大きく、
貝とは違うギザギザがあり、
貝には見られない尖り方をしていた。
長い長い時を経て、
小学一年生の小さな手にたどりついたモノ。
それは、日本初、肉食恐竜の歯の化石。
早田くんの自由研究は、
世紀の大発見になった。
人と石/メアリー・アニング
その少女は、
地球に何十億年もの歴史があることなど知らなかった。
生物が絶滅するものだ、ということも、
かつて恐竜と呼ばれる生き物が
地球上にいたことも、知らなかった。
無理もない。世界中のほぼだれも、そんなことは知らなかったのだ。
少女は、ただ家計を助けるために、
動物の姿が刻み込まれた石を探し、観光客に売っていた。
いまから150年以上も前、
イギリスの港町にいた化石掘りの少女、メアリー・アニング。
「へえ、イギリスにワニがいるんだ・・・」
そうメアリーに思わせていた、
石の中の6メートルもの長さの生き物は、
イクチオサウルス。海の恐竜だった。
学校に通ったこともなかった
一人の少女は、それからも、
数々の発見で世界を驚かすこととなる。