坂本仁 10年12月11日放送
若い頃の挑戦より、年をとってからの挑戦のほうが難しい。
もし失敗したら自分はどうやって生きていこう。
家族は食べていけるだろうか。
様々な不安が自分を襲ってくる。
けれど、スイスでブレゲの再来と言われ、
精密で美しい時計を製作しつづけているフランク・ミュラーは
次のように言う。
人生に挑戦するのに年齢なんて関係ない。
そもそもこの世に時間などない。
それは人間が勝手に作ったものだ。
私は時計師だからそのことがよくわかる。
今、何かをはじめようとしている人、
そして自分の年齢を考えて不安になっている人は、
時計をはずしてみると、
新しい一歩を踏み出せるかもしれない。
野球において、ホームランは時間を止める。
ピッチャーは肩を落とし、
野手はボールを見送ることしかできず、
ただ1人打った人だけが、
ゆっくりとベースランニングする自由を許される。
そのホームランを生涯で714本も打った世界のホームラン王、
ベーブ・ルースは次のように語る。
守備の甘いところへ打つのがコツだ。
だから俺は場外へ打つ。
ベーブ・ルースにとっては、
ホームランを打つのは、
ヒットを打つより簡単だったのか。
そんな風に思ってしまうほど
単純で説得力のある偉大な発言だ。
あなたが生まれてから何日たったことでしょう。
例えば、
20歳の人は7300日。
40歳の人は14,600日になります。
歌手、タレント、女優、声優など、
さまざまな活動を楽しむ中川翔子さんは言います。
人生は3万日しかない。と。
自分が重ねていく年月を、
何歳と数えるではなく、
何日と数えてみる。
そうすると私たちはもっと毎日を大事に生きていける気がする。
もっと今を大切にできる。
中川翔子さんはそう胸に刻むことで、
きっと毎日をギザ楽しんでいるのでしょう。
あなたは今、何日めですか?
人間性の暗い側面、わがまま、強欲、不幸、そんなものが、
私たちの空を汚し、空っぽの海にし、森を破壊し、
何万もの美しい動物を絶滅に追い込みました。
次は私たちの子供なのでしょうか。
、
1989年、ユニセフの親善大使に就任した
オードリー・ヘプバーンはそう語って
世界の痛ましい現実と戦いはじめた。
スーダン、ベトナム、バングラディシュ、南アメリカ。
安全な飲み水を確保する井戸の設置や地雷除去など、
子供たちを守るために世界中でユニセフの活動に身を捧げた。
ソマリアへは、自ら患っていた癌をおしてまで行ったという。
12月11日。今日はユニセフの創立記念日。
今もきっとオードリーヘップバーンは
天国で、世界の子供たちの未来を見守っている。
勉強は大切だ。
何か一つの道を決めて、
その世界を極めようと思ったら、
昼も夜も、寝ることも食べることも忘れて、
そのことを学びつづけなければならない。
けれど、それだけでは、足りないのである。
ジャズ界のピカソと言われ、
モダンジャズを牽引したトランペット奏者、
マイルス・デイビスはよいジャズを引く秘訣を問われて、
次のように言った。
学べ。そして忘れろ。
マイルス・デイビスは、
学ぶことの重要性を説いた上で、
その先に行くためには、
ルールや常識から自らを解放しなければならないことを、
知っていた人だった。
偉人とはなんだろう?
すごい発見をした科学者のこと?
すごい成績を残したスポーツ選手のこと?
それとも、すごい商品を作ってお金持ちになった人のこと?
カトリック教会の修道女、アグネス・ゴンジャ・ボヤジュは、
次のように言った。
大きなことを出来る人はたくさんいますが、
小さなことをしようとする人はごくわずかしかいません。
小さなことをしつづけたアグネス・ゴンジャ・ボヤジュ。
いつしか彼女は、マザー・テレサと呼ばれるようになった。
高価な靴を履いてる営業マンより、
歩き回って擦り切れた靴を履いている営業マンの方が素敵だと思う。
流行の服をいつも着ているクリエイターより、
一心不乱に絵を描く、
絵の具で汚れた服を着ている画家の方がクリエイティブだと思う。
美しく流暢な言葉で愛を告白するより、
言葉は拙くても誠実に大声で愛を告白する方が伝わると思う。
生涯で40を超える作品を残したアメリカの大衆作家、
ノーマン・メイラーは次のように言う。
本当に大事なことのうち、
格好をつけたままでやれることは、一つもない。
ノーマン・メイラーが、格好をつけることを忘れて打ち込んだ大事なこと。
それは、人々の記憶に残る数多くの小説を世に送り出すことだった。