「めくる」ってドキドキしますね。
あ、いま、本のページをって思ったか
スカートをって思ったか、
その想像があなた自身ですぞ。
五島で、「めくる対象ナンバーワン」と言ったら、
ダントツ「岩」ですね。磯の岩。
カニだっ!
ギンポの子だっ!
トコブシ!
エビ!
あと、うわ~なんだこれっ!?
っていうのも多い。
「磯の岩めくり隊」っていうグループ売れないかなあ。
売れないだろうなあ。
「めくる」ってドキドキしますね。
あ、いま、本のページをって思ったか
スカートをって思ったか、
その想像があなた自身ですぞ。
五島で、「めくる対象ナンバーワン」と言ったら、
ダントツ「岩」ですね。磯の岩。
カニだっ!
ギンポの子だっ!
トコブシ!
エビ!
あと、うわ~なんだこれっ!?
っていうのも多い。
「磯の岩めくり隊」っていうグループ売れないかなあ。
売れないだろうなあ。
生き物のはなし/いとうせいこう
ベランダで、花を育てている。
けれども、うまくいかず
ときには、枯らしてしまうこともある。
クリエイター・いとうせいこうは
そんな失敗を繰り返すひとり。
けれども彼はその失敗を、とても大事に考えている。
園芸は植物を支配することではないのだ。
むしろそれが出来ないことを教えてくれるのである。
生き物のはなし/高村光太郎
作家としてはもちろん、
彫刻家としても数多くの作品を残した
高村光太郎。
彼は、ある生き物のことが
特別好きだった。
それは、セミ。
彫刻のモチーフとして
すばらしい姿をしている
と考えていたようで、
セミを見つけにいくことを
「モデル漁り」、なんて言い方をしていた。
加えて、やかましく聞こえがちなあの声も
高村にとっては愛らしく聞こえていたらしい。
あの一心不乱な恋のよびかけには
同情せずにいられない。
まっすぐなセミの声は、
まっすぐな心をもつ高村に、心地よく聞こえていたようだ。
生き物のはなし/コンラート・ローレンツ
卵からかえったひなは、
最初に見た生き物を母親だと思いこむ。
この、「刷り込み」理論の研究などで、
動物行動学をうちたてたノーベル賞学者、コンラート・ローレンツ。
従来の動物学の主流であった解剖による研究とは一線を画し、
生きた動物とともに暮らし、
徹底的に観察することによって、
その行動に隠された法則を発見した。
幼いころから家に様々な動物を引っ張り込んでは
熱心に観察していた彼。
一緒に暮らす両親や妻の忍耐が、
彼の生き生きとした発見を支えていた。
彼はそんな自らの研究生活への
家族の理解に深く感謝し、こう語った。
ネズミを家の中で放し飼いにして、そいつが家じゅう勝手に走りまわり、
敷物からきれいなまるい切れはしをくわえだして巣をつくっても
我慢してくれ、といえる夫は、私のほかにはいそうもない。
生き物のはなし/ファーブル
「哲学者のように思索し、芸術家のように観察し、
詩人のように感覚し表現する偉大なる学者。」
と称えられた昆虫学者、ファーブル。
彼が人生をかけて何度も追加や修正を繰り返した『昆虫記』は、
単なる観察記録に終わらず、世界への発見に満ちている。
晩年、その『昆虫記』の決定版を完成させるにあたり、彼はこう語った。
昆虫の世界は実にあらゆる種類の思索の糧に富んでいる。
もしも私が生まれ変わり、また幾度か長い生涯を再び生き得るものとしても、
私はその興味を汲みつくすことはないであろう。
生き物のはなし/ルドルフ・シェーンハイマー
「私」という存在は何者なのか。
その難題に答えを出そうとしてきたのは
哲学者だけではない。
科学者もまた、
「私」が何者かを探し続けてきた。
その中でも
1930年代に活躍した生物化学者
ルドルフ・シェーンハイマーの研究は
「私」のとらえかたに大きな変革をもたらすものだった。
シェーンハイマーは体の中にとりこまれた食物が、
どのように体の一部となり、
どれくらいの期間とどまり続けるのかを解明した。
その結果、驚くべきことに、
動物の細胞はほんのわずかの期間に
どんどんいれかわっていることがわかった。
つまり、物質的な意味で言えば、
今日の「私」は、数ヵ月後にはもうまったく違う「私」になっている。
シェーンハイマーはこういった。
生命とは代謝の持続的変化であり、この変化こそが、生命の真の姿である。
私という存在は
言ってみれば、移りゆく粒子のよどみ。
そう聞くと、少し世界が変わってみえませんか。
生き物のはなし/阿部宗明
その魚は、自分につけられた名前に
少しがっかりしているかもしれない。
その名も「ウッカリカサゴ」。
名づけ親と言われているのが、
魚類学者である阿部宗明(あべときはる)。
うっかりすると、カサゴと区別できない。
そして、日本の学者が毎日見慣れたカサゴが
別種だったことをロシアの学者に発表され、
「いやはやうっかりしていた」と、この名前がついた。
ちなみに、カサゴは体の斑点が不明瞭なのに対して
ウッカリカサゴの斑点はくっきりしている。
このつぎ魚屋さんに行ったら
じっくり観察してみませんか?
うっかりしなければ、
きっと見分けることができるはず。
生き物のはなし/大根常雄さん
海の命を恵みとして受け取る仕事。それが漁師。
石川県の漁師、大根常雄(おおね つねお)さんは、
無数の生き物たちを抱える能登の海について、こう語る。
海はちゃんとうめえようになっとる。
ここは恵まれたいい海よ。
船を下りても、年寄りはみんな海を見に、毎日きとるわ。
人間もまた、海に育てられる生き物のひとつのようです。
生き物のはなし/野毛山動物園の飼育員たち
横浜市にある野毛山動物園には
いっぷう変わった場所がある。
その名も、「しろくまの家」。
名前のとおり
しろくまが暮らしているのか、と思いきや
そこには何の姿もない。
そして入口には、こんな文字。
みなさんもホッキョクグマになったつもりで、
また飼育係になったつもりで探検してみましょう。
そう、ここはかつてしろくまが暮らしていた家。
飼育員さんたちはそこをお客さんに開放して、
自由に見てもらえるようにしたのだ。
しろくまがいたのと同じ場所に立って
景色を眺める人もいれば、写真を撮り合う人もいる。
それはとっても明るい光景。
飼育員さんたちのはからいで
「しろくまの家」は、今も変わらず
お客さんのいい顔であふれている。
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