小野麻利江 11年7月30日放送
子どもの時間 チャーリー・ブラウン
チャーリー・ブラウンは、ペパーミント・パティに言った。
安心というものは、車の後部座席で眠るようなことだ、と。
彼は続ける。
きみは何も心配しなくていい。
お母さんとお母さんは前の座席にいる。
何もかも、面倒みてくれる。
無条件に、ただただ守られている。
子どもの時間には、たしかにそんな感覚が流れていた。
でもチャーリーは、
そんな時間がいつまでも続かないことも、知っている。
突然きみは大人になる。
そしてもう二度と、後部座席に乗って
眠ることはできなくなるんだ。
小さな男の子チャーリー・ブラウン、
でも立派な哲学者だ。
子どもの時間 小室直樹
子どものころの記憶の中で、
母が父の文句を言う姿を、見たことがない。
気まぐれで、かんしゃく持ちな父。
そんな父を、はいはい、と軽くいなす母のほうが
一枚上手だなあ。
ぼんやりと、そう思っていたけれど。
最近、評論家・小室直樹の本の中で、
こんな、くだりを見つけた。
母親が子に、亭主のぐちを
言っちゃいけない。
それをやったら、子育ては失敗ですよ。
幼い子供を育てる母は
自然と深い知恵を身につけるのだろうか。
ありがとう。お母さん。