三國菜恵 11年11月20日放送
言葉のはじまり/城戸四郎
映画会社「松竹」の元社長・城戸四郎(きどしろう)。
小津安二郎や山田洋二らを映画界におくりだした彼は、
まさに映画の黄金時代を築きあげた、名プロデューサー。
いわゆる、先見の明がある人物だった。
1928年、城戸はアメリカへ渡り
「トーキー」をはじめとするたくさんの映画を目にする。
そのとき、こんなことを思ったという。
これからの女優は顔だけではなく、
からだ全体のプロポーションがよくなくてはいけない。
なかでも脚がポイントだ。
城戸は帰国後、女優のオーディションを開催。
こんなことばで呼びかけた。
“脚線美女優”募集。
“脚線美”ということばがこのとき生まれた。
ミニスカートブームが起こる、はるか30年も前に
城戸は「女性の新しい魅力」について見ぬいていた。