三國菜恵 11年12月04日放送
男たちは旅をする/椎名誠
本場のラーメンを求め、中国へ。
プロレスを観に、メキシコへ。
犬ぞりをしに、アラスカへ。
海を見に、ベトナムへ。
さまざまな理由を見つけては
あちこちに旅へと出かけてしまう作家、椎名誠(しいなまこと)。
自らを「旅する作家」と称するほど旅好きの彼に、
いままで行った中でいちばん好きな場所を聞いてみた。
いちばん好きなところは
やっぱりパタゴニアと新宿の居酒屋だなあ
あたらしい場所であたらしいものと出会えるのも、旅のいいところ。
いっぽうで、いつもの場所の大切さに気づけるのも、
旅のいいところかもしれない。
旅と男/倉岡裕之
山岳ガイド、倉岡裕之(くらおかひろゆき)。
世界の山々を旅した彼だが、
何度登っても山への不安は消えないのだという。
けれど、この不安感こそが大切なのだという。
心配するからこそ、
すべての危険を乗り越える解決策を見出す
不安は、試練を大胆に乗り越えるために必要なものなのだ。
男たちは旅をする/沢木耕太郎
「深夜特急」などの代表作で知られる作家、
沢木耕太郎(さわきこうたろう)。
彼は、あるときユーラシア大陸を旅した。
目的をもたず、期限も設けず。
いつを旅の終わりにするかは自分次第だった。
沢木は、旅を終えるにふさわしい場所を探していた。
そこが夢のような景勝地や桃源郷である必要はないが、
どこか心に深く残る土地であってほしい
そう思っていた。
そして、沢木の旅は
ユーラシア大陸のいちばん端、
ポルトガルのサグレスという町で終わりをむかえる。
水平線にはいままさに昇ろうとする朝日が輝いていて、
そこで朝食を食べていたときに、
ふと「帰ろう」と思ったのだという。